第52回愛媛マラソン完走記〜サブスリーへの挑戦〜

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マラソンは甘くない。そう痛感させられる大会になった。

サブスリーに向けて半年前から調整をし、1ヶ月前から減量もして万全の状態で望むはずだった。言い訳をしたくないのだけれども、それだと同じくサブスリーを目指すランナーにとって何の有益な情報にもならない。なので、数日前からあったこと、レース中に起きたこと考えたことを正直に書いておこうと思う。

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まず、万全のコンディションではなかった。体重を落としたことで免疫力が極度に低下している状態で、先週の月曜日あたりからノドが痛み始めたのだ。とにかくこれは悪化させないことだけに集中した。そして、栄養のあるものを摂るように心がけたことで悪化はしなかったが、回復もしなかった。

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そして、前日の12時間の移動がダメ押しだったと思う。雪に備えて金曜日の夜から羽田空港近くのホテルに前泊。出発したのが朝の7時で、実家に到着したのが夜の7時。その間に受付などをしたのを考慮しても11時間の長旅になってしまったわけだ。そのほとんどの時間、新幹線と在来線の特急に座り続けた。筋肉が固まったのと疲労がたまったことは大きな問題だったのはではないだろうか。

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コンディションを整えきれなかったのは自分の責任だ。雪は運が悪かたっというしかない。ただ、それも含めてのマラソン。運も味方にして、万全の状態でなければサブスリーは達成できない。少なくともサブスリーボーダーラインの人たちは、ほんのちょっとした事でそれまでの積み重ねがゼロになるのだということを学んだ。

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スタートは10時ちょうど。気温はスタート時は低すぎず、高すぎずな感じでまずます。わたしのスタートポジションはスタートライン手前20mといったところだろうか。まずまずの位置取り。寒さ対策としてアシックスのビニールポンチョをかぶっていたからか、日陰にもかかわらず体温がさがらない。ゴミになってしまうけど、ビニールポンチョは寒さ対策として最も有効なのではないかと思う。

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スタートの号砲で一気に飛び出すランナーたち。わたしは周りのペースに乱されないように最初の1キロが4分22秒。スタート地点までのロスが10秒だったので、予定通りのペースで入れている。わたしの計画では1キロ4分12秒で30キロまで通して、あとは気持ちで乗り切るつもりだった。まずまずの入りだったけど、この時点ですでに違和感があった。足が地面を捉えきれていない。地に足がつかないという表現がピッタリくるほど、足に地面の感覚が伝わってこないのだ。

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本来であれば30キロまでは無駄な力を使わずに、クルーズするように走るのが理想。ところが、最初から足の筋肉をフルに使って走っている感覚がしていた。そのため、何度か力を抜こうとしたのだけれども、そうすると目に見えて1キロ4分20秒台にペースが落ちる。5キロで母とハイタッチをし、10キロで親戚のおばちゃんの声援に背中を押され、なんとかペースを保つものの、15キロ地点で3時間のペースランナーに抜かれてしまう。そして、そのペースにまったくついていけない。

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まだ焦るところじゃないのはわかっているけど、自分の足が動いていないのは明らか。20キロからはがまんがまんのレースだった。とにかくまずは目の前の5キロだと言い聞かせて、言うことを聞かない足をなんとか動かす。それでもタイムは目に見えてどんどん落ちていくのだ。25キロからは1キロ4分30秒台を連発。途中でフォームを変えたりしながらなんとかふんばれたのは30キロまで。もう完全に足に力が残っていない。気持ち的には走っているのか歩いているのかわからないほどペースが落ちている。この時点で完全にサブスリーが無理だと確定した。

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そこで35キロ地点で一度気持ちをリセットするためにトイレに行き、気持ちを落ち着けて再スタート。ここからはもう意地だけだ。サブスリーならずとも意地でも3時間10分以内には絶対にゴールすると決めた。1キロ5分台が出ようととにかく前に進む。スタートからまったく途切れない声援が支えてくれる。給水所での飲料の手渡しが勇気を与えてくれる。雪のせいで今日走れなかった仲間のことを考えると一歩たりとも手を抜けない。何よりも父の生まれ育った街でかっこわるい姿を見せるわけにはいかない。

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サブスリーには程遠い記録にはなってしまった。それでも上村愛子選手じゃないけど清々しい気持ちではあった。いまの自分が持っているものをすべて出し切ったことには違いない。足りなかったのは実力なのか運なのか。それとも両方なのか。それはわからないけど、やれることは全部やった結果なので納得はしている。そしてめずらしく燃え尽きていない。

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それもこれも愛媛マラソンという素晴らしい大会のおかげだろう。コースは決して簡単ではないけど、さすが昨年度RUNNETで1位に選ばれた大会だと感じることろがたくさんあり、しかも昨年よりもさらにグレードアップしている。サブスリー狙いだったので食べなかったけど、エイドには松山の銘菓が揃っている。ポンジュースのエイドもある。会場のトイレの数も少なすぎるということはない。本当に走りやすい環境を整えてくれる愛媛マラソンの関係者に感謝したい。

必ず来年も伊予路に帰ってこよう。そして必ずこのコースでサブスリーを達成してみせる。それが一番の恩返しになるはずだから。

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