1度ハマると徹底的に知りたくなる性格。そういう自分が好きなんですが、こうやってブログを書くときには同じネタばかり続いてしまいます。というわけで今日もビタミンB1の話です。これまで学んできた自律神経との関係を調べようとしましたが、見事に空振りでした。
ただ、運動とビタミンB1の関係についての論文「長時間持久運動後の疲労困憊と ビタミンB1 動態について」に行き当たり、そこではトライアスロン選手の血中ビタミンB1をレースの前後で調べた結果が書かれていました。今日はこれに絡めて話をしていきます。
ビタミンB1摂取量が少ないとレース後に疲労しやすい
この論文で書かれているのは、題名からもわかりますように、ビタミンB1が競技後の疲労にどのように影響するかという話です。結論から言えば、ビタミンB1の摂取量が不足している人ほど、レース後に疲労困憊の状態になりやすいということ。
調査対象が24名と母数があまりにも少ないので、どこまで信用できるか判断が難しいところですが、わたしがここまで学んできたことからも同じことが推測できるので、特別に驚くことではありません。
レース前後での計測しかしていませんし、レース結果にどのような影響を与えるかという考察もありませんので(そういう目的でもない)、わたしの知りたいことがすべて書かれているわけではありませんが、学べることがいくつもありました。
まずはこの論文で知ったことをまとめておきましょう。
論文から学んだビタミンB1に関する知識
- アスリートはビタミンB1のサプリメントを摂取している
- 長時間の運動で血液中のビタミンB1濃度が上がる
- トレーニング期は1日2mgのビタミンB1が必要
- 1000kcalの消費で2mgのビタミンB1摂取が必要
- ビタミンB1の摂取で最大酸素摂取量は変わらない
- ビタミンB1で出力のアップもない
- サプリメントを摂取していないとトライアスロン後に欠乏状態に近い濃度になることもある
1つの論文から学べることが多数ありました。どれも大事ですが特に気になるものについて書いていきます。
まずトライアスロンの選手は日常的にビタミンB1をサプリメントで摂取している人が多いということ。1996年とデータは古いものの、アイアンマンジャパントライアスロンのレースでの調査結果ですので、すでにこの頃にはトップアスリートがビタミンB1をサプリメントで摂取するのがあたり前だったわけです。
なぜかはわかりませんが、これが今の市民ランナーのところにまで広がっていません。その理由のひとつとして考えられるのが、ビタミンB1は儲からないという点にあるような気がします。ビタミンB1はありふれた栄養素で、サプリメントもかなり安く買えます。
豚肉や大豆から簡単に摂取できます。これではメーカーは儲からないから、ビタミンB1の必要性を宣伝しない。むしろビタミンB1が不足して走れない人が増えるほどあれこれ売れる……なんて考えるのは邪推でしょうか。
トップアスリートでは常識なのに、わたしたち市民ランナーは知らない。きっとそういうものがたくさんあるのでしょう。
1日2mgのビタミンB1を摂るために必要な食事
昨日のブログにも書きましたが、ビタミンB1を摂取するなら豚肉です。豚ヒレ肉100gに0.98gのビタミンB1が含まれています。昨日のブログではランナーに必要なビタミンB1の量を曖昧に書いていましたが、論文には1日2mgと書かれています。
これを豚ヒレ肉で摂取するなら約200gを食べる必要があります。ただし、これは生の状態でのビタミンB1です。ビタミンB1は調理をすると減ります。調理方法や調理時間によって変わりますが20〜50%の損失があると言われています。
仮に50%の損失があるとすると、豚ヒレ肉の場合には400gも食べなくてはいけません。豚バラ肉なら740gですので、まったくもって現実的ではありません。この計算からもわかりますように、1日2mgのビタミンB1を食事だけから摂り続けるというのはかなり難しい話です。
1mgの摂取でもそれなりに気を使わないと難しいかもしれません。実際に日本人の平均は0.86mgしかありません。平均ですからこれよりも低い人はたくさんいます。わたしも平均で考えると不足側に入るような気がします。
ビタミンB1はサプリメントで補給する
結局のところビタミンB1はサプリメントで補給するしかなさそうです。必要性をどう考えるかという話はありますが、サプリメントで補給できていないトップクラスのトライアスリートがレース後に欠乏状態に限りなく近い状態にまでなるということは、わたしにとっては見逃せません。
なぜここまでビタミンB1が軽視されているのかはわかりませんが、これはとても重要な栄養素だというのがわたしの結論です。ただ、食事で補うのはあまり現実的ではないのでサプリメントでという話です。
幸いなことにビタミンB1のサプリメントは入手性がよく、しかも価格が安いので試すのは簡単です。
どういう効果が出るのか、そもそも体感できるような効果があるのかは不明ですが、理論的には意味があります。調べすぎたのでプラセボ効果が出そうな気もしますが。まずは継続して摂り続けてみます。ビタミンB1の役割を考えると減量効果もあるような……まぁそれもこれからのお楽しみということで。