アディダスのランニングシューズと物欲

アディダスがランニングシューズが安い。普通に安いのではなくアホみたいに安い。アディゼロ タクミ セン 6が、送料込みで5,280円(定価17,600円)。アディゼロ RC2.0は3,131円(しかも税込)。アディゼロ ジャパン5も4,620円と格安で、楽天でもAmazonでもオンラインショップでも安い。

さすがにこの価格を見てしまうと必要もないのに買いたくなる。買いたくなる衝動を抑えるために、いまこうして文章にしている。文章に書き出せば、物欲が薄れるのではないかと期待しているだが、文字にしてみるとその安さが際立って、余計に欲しくなってきた。

電話を楽天miniに、ネット回線を楽天ひかりにしたので、楽天ポイントがたんまりと残っているので、アディダスのランニングシューズなら余裕でポイント購入できる。実際にここまでの数日で、なんどもポチりかけている。ただいつも「いつ履くのだ」という心の声で我に返り現在に至っている。

シューズレビューするのも仕事だから、家に何足もランニングシューズがあること自体はもはや歯止めにはならなくなっている。この春からテスト品のサンダルを含めて5足も増えている。こうなったら、何足増えてももう変わりはしない。

買うのを躊躇したのは履く機会がないというのと、もうひとつ「旬ではないシューズを買っても誰もレビューを期待していない」というのもある。みんなが知りたいのは、発売時であって今ではない。アディゼロ タクミ セン 6のレビューをしても誰も喜ばない。

こういうところに情報発信者のジレンマのようなものがある。わたしは中古が嫌いではないので、iMacもMacBook Airも中古で購入している。でも、そういうものは購入までの過程はネタになるが、商品そのもののレビューはニーズがないので書いても意味がない。

「ネタにならないからやらない」
「ネタにならないから買わない」

まるでお笑い芸人のような思考回路だが、これが情報発信者の基本的な思考になる。いや、わたしがそうだというだけで、他の人がどうなのかはわからない。ただガジェット系のレビューやグルメ情報を発信している人は、きっといつも同文章にするかを考えている。職業病というやつだ。

そういう意味で、アディダスで叩き売りしているランニングシューズは、どうやってもネタにはならない(叩き売りしていることは、こうしてネタにはなるが)。そもそも叩き売りされている時点で人気がないわけだ。やはりマラソン大会が開催されないというのはとてもインパクトが大きい。

新しい首相にお願いして、フルマラソンの距離を50%くらい減らしてもらえるGO TO 42.195kmキャンペーンをしてもらうしかない。

商品が安くなっているとついつい買いたくなる。わたしはこの傾向が強いという自覚がある。欲しい物を安く買えたことに喜びを感じる。貧乏だからそうなっているのか、それとも生まれつきそういう性格をしているからなのかはわからない。

欲しい物を安く買おうとするくらいならまだいいのだが、問題なのは欲しいわけでもないのに安いというだけで買いたくなるという点にある。まさに今回のアディダスのランニングシューズがそれだ。ポイント練習をするためのシューズは揃っている。レース用のシューズもある。

そして何よりもわたしは裸足ランナーなのだ。どれだけ安くても、使いどころがないシューズを買うべき合理的な理由がない。ただ頭ではわかっていても「安い」ということに心が揺らいでしまう。なんとも情けない話ではあるが、揺らいでしまうものは仕方ない。

この5年間は本当に貧しくていろいろガマンしてきたが、少し余裕が出てきたところで、抑えてきたものが溢れ出ているのかもしれない。ここできちんと抑えきれば人生で初めて貯蓄なるものができそうなのだが、わたしの前世はきっと江戸っ子。宵越しの銭は持たない主義だ。

そういえばサッカーくじのtotoで1等が当たったときも、サッカー部の仲間を集めてどんちゃん騒ぎをして終わった。豪快といえば聞こえがいいのだが、ネジが数本足りてないのだろう。ここまでの人生で結婚という道を選ばなかった自分を褒めたい(傷つくから「選べなかっただけ」とか言ってはいけない)。

アディダスのランニングシューズが安いのは10月4日までということなので、気になる人はアディダスオンラインや楽天市場、Amazonをちぇっくしてほしい。そしてわたしと同じように、買うべきかどうかで悩むという苦しみを味わって欲しい。

もっともランニングシューズはどのメーカーも、わけのわからない値段になっている。ナイキは2〜3ヶ月に1回ペースでセールをしている。マラソン業界がかなり苦しいのが伝わってきて、この業界に片足を突っ込んでいる立場としては、かなり焦りを感じている。

欲に負けてランニングシューズを買っている場合ではない。どうせ買うなら、読み手が本当に必要としている情報を発信するためにお金をかけるべきだろう。今年はMacも買い替え予定なのでしばし物欲を抑え込んで、必要なところで一気に吐き出すとしよう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次