鹿児島マラソン2021の中止で考えるマラソン大会の新しい形

鹿児島マラソンは第1回の抽選に外れたのを除き、それから毎年参加しているマラソン大会。今年も中止になったのだが、桜島を走ってみたいという野望があり、マラソン大会当日に桜島1周マラソンを1人で行うために、のこのこ鹿児島まで行ってきた。

さすがに来年はそうもいかない。鹿児島に行ってはいけないということではなく、日本にはまだ知らない場所がいっぱいあり、来年の鹿児島マラソンが中止になったのであれば、普段は行けないような場所に行ってみたいなと。冬の北海道とかどんな寒さなのか体験してみたい。雪積もる新潟で日本酒というのもいい。

海外旅行とマラソン大会。この2つはしばらく思うようにはいきそうにない。ロシアがオープンになるという噂もあるので、この際ならロシアでもいいかなとは思うのだが、ロシア語は片言ですら話せないので不安はある。そもそもロシアは新型コロナウイルスがまったく収束していない。

なんだったら数日前に1日の発症者数が過去最大になったばかりで、第2波がやってきたばかり。ロシアがオープンになっても日本がクローズするだろうから、この2国間の観光というのは難しい。観光ベースで考えたときに、海外というのはまだまだハードルが高いという現実。

そうなるとやはりマラソン大会に合わせて全国に行くというのが、これから2〜3年のプランになるが、マラソン大会の中では男気あふれる対応をしてきた鹿児島マラソンが中止を選んだインパクトは決して小さくない。鹿児島マラソン規模でも陸連の出した開催基準を超えられないという事実。

東京マラソンは延期して秋開催となった。これが最も大きな要因かもしれない。東京ができないのであれば、他でできる要素がまったく見当たらない。陸連も絡まず、税金も使っていない湘南国際マラソンが唯一の希望となってしまった感がある。

実際のコースを好きなタイミングで走れる「秋吉台カルストTRAIL RUN 2020 オンライン」が少し気になっている。気になっているというよりは行くつもりだった。だが喪中ということで少し躊躇している。マナーとして躊躇しているというのではなく、こういうときは注意力が散漫になりケガをしやすいからだ。

喪中というのは、そういうトラブルを回避するための先人の知恵だと、わたしは考えている。故人を偲ぶことも大切だが、残された者の精神的ダメージは想像以上に大きく、そこでさらなる不幸を呼び込んでしまう可能性がある。だから一定期間の喪中や忌中がある。

父母の場合は忌日数が50日で、祖父母なら30日だ。過去の経験からすると、なるほど上手く設定されているなと思う。わたしの場合は30日間を自宅で過ごすことになる。すでにUberEatsの配達には出ているが、不要不急の外出は避けるのが理想だ。

というわけで「秋吉台カルストTRAIL RUN 2020 オンライン」は参加しない方向で考えている。ただ、トレランレースはこのスタイルで今後も開催できるのではないかと思っている。スタート直後の渋滞がなくなることを考えると、トレランレースはこのスタイルが増えてもいいのではないかとすら思う。

安全面を考えるとそうもいかないのだろうが、新しい試みとしては面白い。

大会側はコース整備をして、あとは参加者から上がってきたデータを精査してランキングを随時変更していく。計測はそれぞれが行うので、計測ミスが起こることもない(近年、計測ミスをしているのは万里の長城マラソンくらいだが)。オンラインマラソンよりもよっぽど魅力的だ。

このスタイルは意外とどこでもできたりする。ランニングコースやサイクリングロードなど、安全性が高い場所を確保できるなら、そこをコースにして各自がタイムトライアルをする。Stravaにそういう機能があるが、これを大会にしてしまえばいい。

コースはできるだけテクニカルなほうがいい。例えば九十九里浜の砂地をコースにすれば、単純な走力だけでなく技術力も問われる。砂浜のフルマラソンなんて想像するだけで身震いするが、ありかなしかで言えば「あり」だ。ぜひとも出てみたい大会のひとつになる。

福島で行われているゲレンデ逆走マラソンも同じように、コース設定だけしておいて好きなタイミングで走れるようにし、定められた期間中にタイム申請するというスタイルで開催できる。おそらく全国にそういう可能性を持った大会がいくつもあるのだろう。

大会側はエイドを用意する必要もない。保険も各自加入にするしかないので、運営がとてもシンプルになる。そしてコースはどこにでもあるのだ。もちろん不正のリスクはあるが、不正してでも勝ちたいなら勝たせてあげればいい。もっとも砂浜やゲレンデでは不正したくても、ドローンを飛ばすくらいしか方法がない。

これを上手く組織化できればかなり面白いことになるのだが、残念ながらわたしにそこまでの熱量はない。やりたいと手を挙げる人がいれば、協力はいくらでも惜しまないが、いまの状況で自ら「やります」なんてことは言えない。だが、従来の形を手放せば、陸上競技はもっと進化できる。

誰がその先頭に立つのか。気概のある若者にぜひ挑戦してもらいたい。

そういえば祖母の火葬前、棺を車に移すときに葬儀屋の方が「若い人、手伝って」と言ったのだが、率先して動き出した人がみんな高齢者だった。みんな健康だから自分が若いという意識があるのだろう。そういう意味では、わたしも若者に頑張ってもらいたいと言っている場合ではない。

少し考えてみるかな。全く新しいランイベントを。

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