ステージレースや旅ランで数日走り続けるときのコツ

数日間の旅ランやステージレースを走る上で、最も気を遣わなくてはいけないのが「疲労の蓄積」だ。2日程度のレースなら、勢いで乗り切ることもできるのだが、それよりも長い期間走るなら、いかにして疲労を溜めないかが、とても重要になってくる。

ではどうすれば疲労を溜めずに走ることができるのか。そのためのアプローチ方法は2つある。

  • 有酸素運動の範囲で走る
  • リカバリーを意識した補給を行う

これらを意識することで、ある程度長い期間でも走り続けることは可能だ。だが大前提として、鼻歌を歌いながらフルマラソンを走れるくらいの走力は必要になる。42.195kmを苦しみながらなんとか完走しているようでは走力が足りず、ステージレースも旅ランも向いていない。

旅ランなら1日の走行距離を30km程度にするという方法もあるが、1回の移動距離が短いとコースの選択肢が狭まってしまう。できることなら1日60kmは走りたいところ。これなら3日で180kmも進める。そして1日60kmならフルマラソンを完走できる走力があれば、十分に対応できる。

このとき大事なのは力を入れて走らないということ。踏ん張るような走り方をしてはいけない。無酸素運動は体に思った以上の負荷をかけることになり、確実に疲労が蓄積していく。旅ランやステージレースに踏ん張りどころというものはない。常に淡々と同じペースを刻むだけ。坂道などは歩いてもいい。むしろ積極的に歩き、休憩も入れていく。

もうひとつのポイントは「何を食べ、何を飲むか」ということ。1日60km走るとなると、まずはカロリーの消費が大きくなる。これは確実に補わないといけない。きちんとランチタイムを確保しても構わない。ただし、食後すぐに走り出すのはNGで、タイムロスにはなる。だから日中は小さく何度も食べるほうがいい。

タンパク質と炭水化物は必須だが、タンパク質をお肉で摂ると、消化に時間がかかるので、できるだけ乳製品や豆類から摂るほうがいい。炭水化物はエネルギーになるので、こちらもしっかりと摂取する。だが、これだけではいけない。速やかなリカバリーを促すために、ビタミン類やミネラルをきちんと補うこと。

汗で流れる分は、スポーツドリンクで補えばいい。喉が乾いてなくても、1〜2kmごとにひと口飲めるのがベスト。信号待ちなどで飲むようにすれば、タイムロスは最小限に抑えられる。たまに、砂糖がたっぷり入った缶コーヒーを飲むのもいいだろう。反対に水は出来るだけ避けたいところ。水を飲みたいなら塩を用意しておいたほうがいい。

難しいのがビタミン類だ。きちんと野菜を摂らないと、ビタミンを補うのは難しい。だが、ステージレースや旅ランで野菜を食べるというのは、思いのほか難しい。だから、ドリンクやサプリメントを使うことになる。ビタミンを補うドリンクで気をつけたいのは、オレンジジュースのような果糖のみのドリンクは、吸収に時間がかかるということ。

もちろんいずれ吸収されるが、速やかな水分補給には適してないことを覚えておくといい。汗が滝のように流れてくる夏の旅ランやステージレースでは、果汁100%のジュースをレース中ではなく、1日の始まりもしくは終わりに飲むほうがいい。そのような面倒な部分があるのでサプリメントがおすすめだ。ビタミンB群の入ったサプリメントをしっかり摂らようにしてほしい。

マグネシウムも必要な栄養素のひとつ。カリウムもだが、普段から摂取しているエネルギーはいずれも重要で、疲労を溜めないために積極的に摂取しておく必要がある。思った以上にわたしたちはランニングで消耗しているのだ。失ったものはすべてその日のうちに補って翌日に備える。これが長い距離、長い日数を走るためのコツになる。

「体を変えないこと」これを意識してもらいたい。頑張ってはいけないし、緩すぎてもいけない。走るときは無理のない体重移動を意識して、こまめに休みも入れる。遠回りに感じるかもしれないが、これが最善の策だとわたしは考えている。少なくともわたしはそうやって五街道制覇を達成してきた。そして、この年末年始もそやって走るつもりだ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次