江戸時代の飛脚はどうやって走っていたのか。京都と江戸を3日で運ぶような飛脚はリレー方式だったというのは有名な話ですが、私がいつも話している金沢の飛脚は1人で金沢から江戸まで5日で走っています。約500kmですので1日100km。現代でもそれくらい走れる人はいますが、そう多くはありません。
しかも飛脚は毎日走っていたわけです。1日に100km走るのが特別なことではない。そうなってくると走り方が根本的に違うんじゃないかなと思うわけです。そういう話になると「ナンバ走り」という単語が必ず出てきますが、ナンバ走りは誰もその走り方を知らないわけで議論するだけ無駄です。
「これがナンバ走りだ!」って自慢気に話している人がいますが、どうかしていると思います。見たこともないものを自分の解釈でやってみて「これが本物」というのは、写真だけ見てルンダンを作った私とそう変わりません。いくら自分の作ったルンダン風の何かが美味しくても、それはルンダンではないわけです。何の話でしたっけ?
ナンバ走りはともかく、古武術ならぬ古走術があるのは間違いありません。ただそれがどのようなものかは分かりません。わたしもこれまでいろいろ試してきましたが、ファーストウォーキングにその答えがあるような気がします。ただ、わたしのウォーキングそのものが独自なものなので、ファーストウォーキングの解釈が違っているかもしれませんが。
でも重要なのはそこではありません。私が言いたいのは超長距離を走るとき、走ってはいけないのではないかということです。なんだか禅問答のような話ですが、走らず歩くことが最も速く目的に付ける方法なのではないかと、公園を歩きながら思ったわけです。歩きならキロ5分台で体の上下動もなく、筋肉もほとんど使っていません。
まだ1時間とかその程度の走りしかしていませんが、感覚的にはずっと走り続けられそうです。しかも力を抜けば抜くほど速くなります。きれいに動けているときはキロ5分20秒を切るようなペースになります。足はすり足に近く、地面を蹴るようなこともありません。とにかく効率よく前に進みます。
悩ましいのがシューズを履いては同じ動きができないということです。シューズで同じ動きをするとワークマンの980円シューズでも力が逃げていきます。シューズに合わせた動きをすれば、そのロスも減らせるのですが裸足とは違った足の動きをすることになります。裸足でシューズでも効率よく歩けるけど、そのときの接地方法が違います。
それは今のところ大きな問題ではありませんが、歩くほうが速いを実践しようと思うと長い距離を走って確認する必要があり、そうなるとロードを走るのでなんらかの履物が必要になります。これが普通のシューズではいけないことになります。おそらくビブラムファイブフィンガーズくらいソールの薄いシューズ。
ビブラムファイブフィンガーズは足の指が広がって、足に力が入らないのでそれがいい方向に転がるかマイナス方法に転がるかを見極める必要がありますが、候補のひとつではあります。もしくはメレルのVAPOR GLOVEか、今は想像していない別のなにかか。
浮世絵などの飛脚を見てみると草鞋を履いているようには見えますが、残念ながらアスファルト舗装の道で草鞋というのは限界があります。そうなるとワラーチなのかという話になるのですが、これはもう少し考えるとしましょう。いずれにしてもしばらくは、「歩く」の先にある超長距離移動の可能性を探ってみようかなと。
なので速く走るというのはしばらくお休みです。4日に1回の坂道HIITはやりますが、他はインターバルもタイムトライアルもせずに、歩きの可能性を探ってみます。とりあえず24時間裸足チャレンジが最初の挑戦の場になります。どれくらいで疲労がくるのか、どれくらいで問題が発生するのかを試してみます。
私の勘でしかありませんが、思った以上に走れてしまう(歩けてしまう)ような気がします。だとしたら、これまでずっと超長距離において間違ったことをしてきたということになります。いや、これまでがあるから今があるわけですが。24時間裸足チャレンジの結果によっては、意外と早くに金沢から江戸までのチャレンジもするかもしれません。
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