
東京マラソンが当選者の入金日前に、新型コロナウイルスの検査を実施することを決定し、その費用として6,800円が参加費に追加されることになりました。この費用が発生するということは、以前も書いた記憶があるのでエントリーした人は、それを理解して申し込みしたということでしょう。
そのとき私は「検査費に5万円と言われる可能性だってある」と書きましたが、さすがに5万円なんてことは言わず、6,800円というおそらく相場よりもかなり安い金額で決着がつきました。おそらく検査キットをまとめて購入できたのでしょう。どのレベルの検査を受けられるのかはわかりませんが、検査費用は良心的です。
ただ参加費と合わせたら23,300円になります。さすがに二の足を踏む金額です。もし陽性反応が出た場合には、参加料の全額返金及び2023大会への権利移行が行われるそうですが、返ってくるのは参加料なので検査費用の6,800円は戻ってこないのでしょう(詳細情報が出ないとわかりませんが)。
また大会側の都合で中止になった場合にも、2023年に権利移行できる(一部返金も選べる)ので、悪い話ばかりではありません。23,300円払ってオンラインマラソンに切り替えられるなんてことはなく、基本的にはいつか走れるわけです。2年後にまた検査費用だけ必要になる可能性もありますが。
冷静に考えると、マラソン大会ってそこまでしてやらなきゃいけないもの?というのが私の本心。ちょっと歪んでるというのが私個人の感覚です。それぞれに立場や想いがあるのはわかりますし、ランニングメーカーも苦しく、日本陸連もお金がなく、何とかしてやりたい。
そこで受益者負担ということで、検査費用は参加者負担。筋は通るのですが、事務局やメーカー、陸連の切羽詰まっている感とランナーの「そこまでして走ることはないかな」という感覚が、あまり噛み合ってないような気がします。エビデンスはありませんので、話半分で読んでほしいのですが。
ランナー側もいろいろな人がいます。やっぱり東京マラソンを走りたいという人も大勢います。でも熱意の総量は、かつてのものとは明らかに違います。23,300円になるなら、エントリーしないという人もでてくるのでしょう。もっとも東京マラソンの事務局レベルになると、それもシミュレーション済みとは思いますが。
運営側の認識は「ランナーはみんな走りたいんだ」なんだと思います。それは事実ですが、正確には「ランナーはみんなかつてのように走りたいんだ」なんです。どんな状況になっても、どんな参加費になっても走りたいわけではない。だって、みんなマラソン大会がなくてもそれほど困らないことを知ってしまったから。
走りたい人は自分で走りますし、走ることを諦めてしまった人もいます。1年もあれば、みんなそれぞれが自分の道を進みだしています。なのに主催者側はそれに気づいていない。走れるようにすれば、いくらでもランナーが集まると思っている。こういうのはどの世界でもあることですね。
まぁこの参加費でも払う人は払います。することがないから、そこそこお金が余っている人が多いので。これまで外れ続けて、ようやく当たったという人も、もはや金額ではなく走りたくて仕方がないので、このチャンスを逃したくないから入金するはずです。入金しないというのは全体の2〜5%くらいじゃないかなとは思います。
渋々な人も多いから、手荷物預かりがないのも含めて、驚くほど低評価になるのは目に見えています。まぁ評価なんて気にしないのが東京マラソンなのですが。私としては、これでマラソン離れが加速しそうなのがこわいくらいで、じゃあ良い提案があるのかというとそうでもなく。
検査をするにしても結局、参加者はこれだけの参加費を払うので、それに見合ったサービスを提供できるかどうか。これがすべてなんじゃないかなと思います。それができれば風向きは追い風になり、できなければ逆風になる。逆風は困るんですよね、ランニングに関わっている側としては。困るだけなのでかまいませんが。

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