プレスリリースに掲載されていて、RUNNING STREET 365で紹介した1冊の本が気になってAmazonで取り寄せました。「運動能力が10秒で上がるサボリ筋トレーニング」という本で、普段はこういう本は「いやいやそんなわけはないって」と紹介する気にも成らないのがちょっと引っ掛かったんです。
なぜ同じようなトレーニングをしても速く走れる人とそうでない人がいるのか。なぜ160km/hのボールを投げられる人とそうでない人がいるのか。それを単純に筋力や才能の差だというのは簡単ですが、もう少し踏み込んでその理由を知りたかったんです。もしかしたら、体の使い方に差があるんじゃないかという思いがあったので。
私がこれまで会ったランナーの中で、テニスをしていた人たちの走力が高めだという認識がありました。もしランニングが才能や筋力だけで決まるなら、特定のスポーツをしている人だけが速く走れるなんてことはないはずです。でも、実際にはテニスプレイヤーは安定していい走りをします(全員が速いわけではありませんが)。
テニスは1試合が何時間にもなることもあり、しかも相手に振られるので左右のフットワークも必要です。上半身も下半身もまんべんなく鍛えられます。バスケットもそれに似ていますが、テニスよりは瞬発系。テニスはインターバルトレーニングを繰り返しているようなもので、バスケットは休憩のないシャトルラン。
それはともかく、特定のスポーツをしている人が走力があがるなら、同じような筋肉の使い方ができれば、走力アップにつながるのではないかと。でもそれが「もしかしたら」の推定でしかありませんでした。でも使っていない筋肉を使える様になる方法があるなら……というところに「運動能力が10秒で上がるサボリ筋トレーニング」との出会いがあったわけです。
この本の主張は、使っていない筋肉=サボリ筋を鍛えることで、必要以上に力が入ってしまっている筋肉を緩めることができるというもの。そしてトータルでの出力も上がるので、運動能力がアップするというもの。この「緩める」というところがちょっと気に入っています。脱力が私にとってのキーワードのひとつですから。
というわけで昨日の仕事前に上半身だけ試してみたら。その後のパソコンのタイピングがいつもと違う感じで、いつも以上のスピードで仕事が進みます。変なところに力が入っていないから、思い通りに指を動かすことができる感覚。これは夕方のインターバルも期待できそうです。
400mのインターバルをする前に30分かけて全身のサボリ筋トレーニングをして、いざいつものインターバルコースへ。もうそこに向かう時点で動きが違います。体が軽いというか、スムーズな動きや安定感。そりゃあもうワクワクが止まりません。ところがですよ。
とりあえず体を慣らすのにスピードをあげようと思っても、すべての動きがチグハグでまったくスピードに乗れません。走りの安定性はかなり上がっているのに、地面に力が伝わっていなくてスピードに乗れず1本目は80秒。400mのインターバルで80秒というのは私にとっては遅すぎるタイムです。
今の走力なら75秒くらいでまとまるはずです。でも1本めから7本目まですべて80秒と81秒。なんという安定感でしょう。よく考えたら当然なんですけどね。これまで使っていなかったサボリ筋を使って、頑張っていた筋肉は出力が下がっているのでスピードが出るわけがなく、むしろサボリ筋を使えている証拠。
本の中身まではまだ読んでおらず、トレーニングだけを行ったのでサボリ筋の使い方に関してはこれから。ただ、こんなにも素直に体の動きが変わったことが面白い。「変わったかな」というレベルじゃなくて、明らかに違うんです。他の人が同じように感じるかはわかりませんが、私にとっては驚きであり期待以上です。
このサボリ筋を使えるようになれば、走りは絶対に変わります。今は走りがスカスカで気持ち悪いのですが、8〜10本目は少し感覚をつかめて、77秒まで上げられたのでこれまでの壁も越えられる気がします。ただ筋力なので2〜3ヶ月はかかります。愛媛マラソンには余裕で間に合いますね。慌てずゆっくりとカラダづくりしていきます。
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