鳥はなぜ疲労せずに長時間飛び続けることができるのか【イミダゾールペプチドの効果】

ランニング中に空を見上げたら渡り鳥が飛んでいました(本当に渡り鳥かどうかは知りません)。鳥を見るといつも不思議に思うんです。なぜ飛んでいるときに疲れて墜落しないのかと。筋肉を動かしているわけですから、どこかでグリコーゲンが不足しそうなものですし、何よりも体内に活性酸素が溜まって疲労を感じるはずです。

でも少なくとも私は疲れた鳥が空から落ちてくるのを見たことがありません。集団で飛んでいるわけですから、遅い鳥もいれば速い鳥だっているはずで、先頭のペースについていけなくて失速することだってあるはずです。でも、そういうのは見たことがありません。そうなると考えられるのは、鳥にとって飛ぶ行為は大したことではないということです。

それは私たちが歩くよりも疲れない行為。どちらかというと私たちが呼吸をするのと同じレベルで普通なことなのです。でも筋肉を動かして飛びます。生理学的に考えれば酸素をエネルギーにしているので、活性酸素は必ず発生します。では活性酸素はどこにいったのか。

その答えのひとつが「イミダゾールペプチド」と呼ばれる抗酸化物質の存在です。鳥の胸肉・まぐろ・かつおなどの魚肉に多く含まれています。なるほどよく考えたら魚も動き続けます。まぐろやかつおは止まらない魚です。彼らも動き続けますが疲れて海の上に横たわっていたりはしません。

イミダゾールペプチドはアミノ酸の一種で、人間でも摂取することで活性酸素を減らす効果があります。疲労を感じなくなるので、長時間の運動時に摂取しておくと記録の向上などが期待できます。当然ポイント練習をしたあとの疲労回復を促す効果もあるので、ランナーにとってはかなり有効な栄養素のひとつでもあります。

ランニング学会でもその効果が発表されていますが、どうも世の中のランナーに浸透していません。その理由はいろいろ考えられますが、1番の理由はサプリメントで儲けるのが難しいからです。イミダゾールペプチドのサプリメントも販売されていますがDHCの30日分(1日225mg)が4,000円くらいします。

人間が1日で必要とするイミダゾールペプチドの量は約200mgです。東洋大学では1回に500mgのイミダゾールペプチドを摂取しています。市民ランナーであれば400mgもあれば十分でしょう。400mgのイミダゾールペプチドをサプリメント以外で摂取する方法は鶏むね肉です。鶏むね肉100gで200mgのイミダゾールペプチドが含まれているので、400mgなら200gです。

どのスーパーで買うかにもよりますが、200gの鶏むね肉なら100円くらいで買えます。サプリメントよりも手軽に手に入れることができさらに安いわけですから、鶏むね肉を選ぶ方が賢いですよね。他にも栄養が摂れるわけですし。もっとも鶏むね肉200gを毎日食べるのはそれはそれで大変ですので、実際にはサプリメントとの併用が有効ですが。

身近な食材で摂取できるならあえてサプリメントで売る必要がない。売る必要がないなら宣伝しない。だからイミダゾールペプチドが市民ランナーにまで広がることはありません。でも大学レベルの中長距離選手は当たり前のように意識して摂取しています。彼らが毎日のように20〜30kmも走れるのは若さもありますが、イミダゾールペプチドの効果もあります。

どれくらいの効果があるのかは分かりませんが、これから1ヶ月ほど毎朝のサラダに使っている豚肉を、鶏むね肉に変えてみようと思います。まずは1日100g(イミダゾールペプチド200mg)から。すぐに結果は出ないと思うので継続してみますが、上手くいけばコロナ禍前の状態にまで体が一気に戻る予感はあります。

イミダゾールペプチドは体を作る栄養成分ではなく、疲労回復を促す成分であり、体内に溜め込むことができます。これを意識してレース1ヶ月前からイミダゾールペプチドローディングをすれば、狙ったレースで後半の失速を防げる可能性もあります。鳥にできているのですから人間だって可能なはず。

もちろん食事を変えたくらいですぐに変化がでるほど甘くないのは理解していますが、こういう小さなところから変えていかないともう伸び代がそこまで大きくない状況なので成長を期待できません。まずは渡り鳥のような持久力を意識して、来年の24時間裸足マラソンでもいい走りができるように、イミダゾールペプチドを試してみるとしましょう。

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