ここまでいろいろな走り方を試してきましたが、頭にあったものの実践するのが難しい走り方がひとつありました。それが膝を屈伸させる力だけを推進力に変えるというもの。人間は歩くときも走るときも地面との摩擦力を推進力にするのですが、これを根本的に変えようと。
着地したときに曲げている膝を伸ばした瞬間に地面を押し、その反作用で前に進む。これはランニングの動作をとてもシンプルなものにしてくれます。ただシンプルが故に足への負担が大きくて、こんなので42.195km走れる気がしないと思って断念した過去が。
それでも地面を押すという感覚はこれまでも大切にしてきました。たとえば裸足で走るときには、地面との摩擦はほぼ使いません。そんな走り方をしたら、足裏が血豆で大変なことになるので。足を軽く置いてきて押し出すというのが裸足のときの走り方。
これは確かに地面を押す力で走れるのですが、優しく着地するので反力が小さいわけです。これではスピードを出すことができません。足を着地したときのパワーを推進力に変えるとなると、それなりの力強さがもとめられます。
その力強さは消耗につながりますので、42.195kmは続けられないかなとなるわけです。でも、先日近所でジャンプトレーニングをしているときに、ヒントになりそうな動きがあって「この延長線上なら成立する気がする」と思って、さっそくトレーニングに取り入れ始めました。
反発力を意識した結果、ジャンプトレーニングの翌日は足の筋肉痛よりも背中の筋肉痛がひどく、それは想定外だったのですが、想定外になったことが私にとっての期待値を上げることに。自分でもまったく想像をしていないカラダの使い方ができているわけで、そして筋肉痛は私の伸びしろでもあります。
そもそも私は背筋を使って走るタイプで、そこそこ背中の筋肉は強いほうなのですが、その自信が打ち砕かれるくらいの筋肉痛。これは期待以外の何ものでもありません。こんなにも自分に伸び代があるということは、大きな進化が待っている可能性があるということ。
本当なら昨日は疲労抜きで散歩にすべきとこと、せっかく掴んだ感覚を体に覚えさせたかったので10kmほどジョグ。最初はかなりぎこちない走り方でしたが、徐々に体に馴染んでいき、最終的にはジョグ感覚でキロ5分20秒を切るペース。これはもう間違いありません。
いや、正解という保証もないのですが、こういうご時世でこれまでと同じことを繰り返しても、面白くもなんともないので、地面から反力をもらう走り方に全振りして、1年間トレーニングを積んでみようかなと。失敗しても失うものがありませんから。
これを習得すればシューズレビューでの幅も広がります。少なくとも1kmTTは10秒くらい速くなるイメージです。曲げて延ばすだけのシンプルな走り方。だから鍛えるべき筋肉も限られていています。動きがシンプルだからカラダの連動も感じやすい。
この走り方を意識しないでできるようになるまで、きっと1年くらいかかりますが、幸い時間はたっぷりあります。しかも今までやってきたことの延長線上でもあるので、もしかしたら3ヶ月くらいで、走りそのものはしっくりくるかもしれません。
ただ筋持久力がまったくついてこないので、走りにタイムとして変化が現れるのにはやはり1年くらい。来年の愛媛マラソンでサブ3を目指せるくらいになっていれば理想ですが、今はケガをしないようにしっかりと休ませながら、新しい挑戦を楽しもうと思います。
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