田中希実選手の走りが私の目指すべきところ【心が震えるほどの美しいフォーム】

7年前に会社を辞めるまでは、私は機械設計者として図面を書く日々でした。私にとっての図面は、加工する人への手紙であり、そしてひとつのアートでもありました。だから誰よりもシンプルで美しい図面を書くことにこだわり続けました。

私が目標としたのは巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼は最高の設計者でもあり画家でもあるわけですが、彼の描いた「ほつれ髪の女」の展示が東京であり、それを見たときの衝撃は今でも忘れられません。これが最高の設計図だと感じたわけです。

私がこれまでの人生で明確な目標を立てたのは、これが最初で最後でした。田中希実選手の走りを目の前で見るまでは。設計人生をかけて、レオナルド・ダ・ヴィンチのような図面を書けることを目指していましたが、ここにきて田中希実選手のような走りを手に入れたいという想いが湧いてきました。

これまでも映像で何度か田中希実選手の走りを見たことがありましたが、映像で見る走りと、実際の走りは情報量がまったく違っていて、彼女の走りはとにかく美しい。まっすぐに走るために、無駄がすべて削ぎ落とされていて、純粋にまっすぐに走ります。

それはもう精密機械のようであり、いったいどれだけの練習をすれば、あんな美しいフォームになれるのか。そのときは自分とは違う世界の人だと思いましたが、一晩ほど経って、やっぱり欲しくなりました。彼女の走りが私の目指すところです。

もちろん、男女の違いもありますし、骨格も筋肉の付き方も違います。100%コピーするというのではなく、もっと原理原則の部分で彼女の走りを再現する。この表現は少し伝わりにくいかもしれませんが、私の語彙力ではこれが精一杯。

私は比較的自由に自分の体をコントロールできるので、昨日は早速ジョグをしながら記憶に残っている走りを再現してみることに。どこをどう動かせばいいのかはイメージできるのですが、その姿勢を維持するのがかなり難しく、集中力もかなり使います。

感覚的に0.1ミリでも動かし方がズレると、走りがブレてしまいます。こんなに神経を使ってシビアに走ったことがなかったのですが、きっとトップランナーはドリルなどで、そのような動きを自然とできるように、何万回も繰り返してきたのでしょう。

だからアプローチの仕方としては、形に沿わすというのは間違いで、カラダづくりからやるべきなのでしょうが、そんなことをしていると田中希実選手の走りを手に入れるまでに、10年以上かかってしまい、その頃には私の走力はもっと低下しているわけです。

今のままでもきっと、理想に近い走りには到達できる気がしていますが、ただ再現度を上げるには、もっと田中希実選手の走りを自分の目で見ておきたいところ。陸上競技にはそれほど興味がなかったのですが、これからトラックレースなどにも足を運ぶことになるかもしれません。

これはサブ3を目指すというのとは、まったく方向性の違う目標。あのような美しい走りが手に入るなら、サブ3なんていうものは取るに足らない目標です。私はとにかく美しいものが好きで(美しいの基準はあくまでも私ですが)、それを自分で作り出せるようになることが最大のモチベーション。

長く走ってきましたが、ここにきてようやくひとつの方向性が見えてきました。きっとこの先で待っているのは茨の道なんでしょうけど、簡単ではないから挑戦する価値があり、なぜかはわからないけどたどり着ける自信もあります。根拠はまったくありませんけどね。

RUNWAY練習会開催中

効率のいい体の使い方を中心とした練習会を毎週水曜日に日比谷で開催しています。記録が伸び悩んでいる人や、ケガをしにくい走り方を身に着けたいという人のための筋トレ&走り方講座中心のトレーニングを行っています。

日時:毎週水曜日19時〜20時30分
場所:国立競技場外周
参加費:2,000円(第1・3水曜日は無料)
申込:こちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次