無事、愛媛マラソンのアスリート枠を確保しました。予定したレース展開ではありませんでしたが、レース中に修正して3時間27分6秒。これであと3年は愛媛マラソンを口実にして、実家に帰ってこれることになりました。
今回はアシックスのS4を履いてレビューという仕事もあったのですが、終始いつもと違う走り方をしたのもあって今日はかつてないくらいのダメージが足に残っていて、やっぱり練習って大事だなと。おかげでいいレビューが書けそうですが。
予定狂わせたAブロックスタート
受付を済ませてゼッケンを受け取ったら、そこに書かれていたのは「A」の文字。ここ最近はアスリート枠でもBブロックスタートだったので、完全にBブロックだと思っていたのですが、エントリー数が少なかったからか、まさかのAブロック。
でもスタートロスがないからラッキーくらいに思っていたのですが、これが予定を狂わせることになるとはこのときは思いもせず。でもスタートブロックに入ったときからやらかしたことに気づきます。みんなの足元にあるのはハイスペックモデルのランニングシューズばかり。
私のシューズは見た目にはメタスピードなんですが、実際にはS4なので小物感が半端ありません。でもシューズが走るわけじゃないからと気持ちを切り替えてスタートを待ちます。気温が高くて体が冷えなかったのはかなりありがたかったのですが、そもそもこの日はアップをしていません。
アップして調子が悪いのに気付いたら、気持ちが萎えるじゃないですか。でも結局1〜2kmで調子が悪いことが発覚したので一緒でしたけどね。ただ、Aブロックなので周りに合わせるとキロ4分20秒くらいになります。
ここが判断の難しいところで、私はキロ5分でいいのですが、そうなると周りとのスピード差が大きくなって迷惑をかけることになります。なので他の人が追い抜きやすいキロ4分30秒前後で10km地点まで走ることに。これが大誤算でした。
絶対に失速するという確信と作戦変更
キロ4分30秒というのは、かつてなら程よいスピード感だったので、そのスピードで走れないわけではありません。ただランニングシューズとしてはオーバーペースですし、いまの私にそれを突き通す走力はありません。そもそも練習もできていませんから。
しかも走り出して、ここ最近気になっていた臀部にも違和感が出はじめます。それに加えてS4に合わせてこれまでとまったく違う走り方をしているので、足首周りにかなりダメージを負っておることが10kmもいかないうちにわかります。
「これは失速するやつ」というのはさすがにラン歴がそこそこ長くなると、失速する前にわかります。ただオーバーペースでいくと決めたので、しっかりと貯金を作る作戦に変更しました。折り返し地点で7分の余裕があればなんとかなると考えたので、20kmまではスピードを緩めず。
20km以降もキロ4分50秒前後で小さく貯金を増やしていきます。でも臀部の痛みが徐々に大きくなり、33km地点はとうとうキロ5分に。ここからがマラソンですね。気持ちを切らさずに自分を信じてスピードをキープできるかどうか。幸い問題は痛みだけでしたので。
ランニングシューズのコンセプトを信用して
RUNNING STREET 365のレビューに書くのであまり細かいことはここでは伝えられませんが、今回履いたアシックスのS4は後半の失速を防ぐというのがひとつのコンセプトでした。失速してからはそのコンセプトが頼りになります。
サブ4用シューズなのでどれだけ失速しても、足を動かしていればキロ5分50秒は出せると信じてここからはフォームだけに集中して走ります。コース途中で叔母に会い、そして残り3kmで実家の家族に力をもらって、ほぼ気力で走ります。
こういう走りになるのは本意ではありませんが、気持ちだけでなんとかするというマラソンも嫌いじゃありません。最近は早めに見切りをつけて「今日は無理」としていましたが、愛媛マラソンだけはそうもいきません。
落ちていくペースと残り時間のにらめっこ。そこまで潤沢に貯金があるわけではないので、歩いてしまうとアウトです。なのでしっかりとシューズのに体重を載せて一歩ずつ前へ。最終的にはキロ5分30秒まで落ちていましたが、結果的には計算どおりにサブ3.5を達成できました。
沿道の声援やボランティアスタッフに支えられての42.195km
自分の調子が悪いレースになりましたが、いわて盛岡シティマラソンでそれ以上の絶不調を体験していたのが、私にとってのひとつの支えになりました。調子が悪いときに大事なのは、足を止めないことと自分を信じることです。
ただ今回は自分を信じるのではなくシューズを信じるという、これまでにやったことのないスタンスでしたが、マラソン大会の雰囲気に乗せられたのもあって、最終的にはギリギリ気持ちを切らさずにゴールに向かえました。
とにかく学生のボランティアスタッフが元気で、それに触発される形で沿道からも小さな子どもの声援がたくさん届きます。愛媛マラソンは知らない人に対しても「頑張ってください」と声をかけてくれるのが嬉しいですね。
本当に声援と笑顔に何度救われたことかわかりません。走っているランナーが主役の大会ですが、ランナー以上に楽しみながら盛り上げてくれる人がいる。そう思ったら歩くなんてことはできません。足がどうなろうが走り続けるだけ。
おかげで1匹のペンギンが出来上がりましたが、これも愛媛マラソンの勲章です。アスリート枠を確保したので、また来年以降も走れる喜び。ただ、今回と同じことにならないように、しっかりと練習を積み重ねて、来年は余裕を持ってサブ3.5を達成しようと思います。
そうそう、今回は「ブログ見てます」とサラリーマンコスプレのランナーさんにレース後に声をかけていただきました。レース中にも私がほどけた靴紐を直しているときに声をかけてもらいました。もしかしたら河童姿でないのにレース中に声をかけてもらったのは初めてかもしれません。
ありがたいことです。そして恥ずかしい走りにならなくてよかったと安堵。いや走りは決して褒められるものではありませんでしたが結果は出しました。変な言い訳をしなくて済んだことを喜んでおくとしましょう。