限界を超えるために限界を超える練習は必要ない【正しく積み重ねる】

5kmを全力で走る。それすらできないくらいに体力が落ちていますが、逆に無理しなくなったということは個人的には少しだけ満足しています。以前だったら無理にペースを維持して、後で大変なことになっていましたが、きちんと自分をコントロールできました。

ダメならダメなりに上手くまとめる。周りに迷惑をかけないようにする。若いうちはそういうことが苦手でしたが、いろいろな経験を積み、まだ完全とは言えないもののきちんと自分をコントロールする。ちょっとだけ成長を感じます。僅かながら物足りなさもありますが。

何事にも全力でありたい。オールアウトしてやり切った感を味わいたい。そう考えていた過去を否定するつもりはありません。私が成長する過程で必要だった考え方で、実際それを経て今の自分があるわけです。オールアウトという経験を何度もして、初めて気づけることもあるわけです。

ただランナーは頑張りすぎる傾向にあり、私もまた典型的なランナーで、とにかくたくさん走ります。高負荷のトレーニングを好み、それをやり切ったことで満足するタイプ。でも、本来マラソンは逆算のスポーツなんです。なりたい自分から逆算して、今やるべきこと決めます。

トップアスリートになりたいのでもなければ、そこに高負荷なトレーニングは必要ありません。いや、負荷の高いトレーニングは必要です。でも限界を超えるようなトレーニングは必要ありません。過ぎたるはなんとかというのはランニングの世界でも同じ。

たとえば私が愛媛マラソンでサブ3を達成することを目標とするとします。そのためにはおそらく今から9kgは軽くなる必要があります。5ヶ月で9kgなので1ヶ月で2kg近く落とすことになります。そのために何をすればいいのかを考えて練習メニューを決めるわけです。

もちろん体重だけでなく心肺機能も数値化して、どこまで高めるか、今の自分とどれくらい差異があるのかを明確にすること。そして直近の1ヶ月、1週間ですべきことを決める。それを闇雲にやるのではなく、きちんと理論的に行うことでオーバートレーニングを防げます。

ランニングも仕事も直感だけでやっているうちは、必ずどこかで伸び悩むことになります。直感がダメというのではなく、限界を超えていくのにはどこかで必ず論理的な考え方を導入する必要があるという話。勢いだけで越えようとするから失敗するわけです。

もっとも、その失敗があるから成長できるというのもあるのですが。ただ、誰もが失敗から学べるわけではなく、そんな遠回りをしたくないという人もいて、コーチのような存在が必要になってきます。コーチがいれば自分で勉強しないでも効率よく鍛えられます。

ただ、そうなると今度はコーチに依存してしまいます。上手く結果が出なかったらコーチの責任だと考えてしまいますし、トレーニングも自主的に行うものではなく、やらされるものになりメンタルが育たない。結果的に成長できなかったりもします。

これはランニングを教える者としてとても難しい問題のひとつです。教えながらも向上心を持たせなくてはいけない。ランニングに限ったことではなく、コーチングすべてにおいて言えることで、私が最も苦手としていることのひとつ。

2月以降におそらくトレーナーとしての仕事も増えていくはずで、そうなったときに教えるのが苦手とか言わないで済むように、今からコーチングの基本は学んでおこうと思います。もちろん自分自身の目標も達成できるように、しっかり自分自身をコントロールしていきます。

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