ちょっとずつ走れるように【体の変化はいつだって小さいもの】

富戸の激坂を走るトレーニングを開始したのですが、片道2.5kmの坂道なのにまだ最初から最後まで走り切ることができません。でもここに来たときには歩いて上るしかなかったのに、ようやく走って上れるようにはなりました。

走っては止まってを繰り返していますが、それでも着実にいい方向には向かっています。できればこれを2本やりたいところですが、残念ながらまだその域までは達していません。でも1年前はこれを3本とかやってたんですよね。

北海道に行ってから体がどんどんランナー体型でなくなり、月間走行距離も短くなったのですが、5ヶ月もかけてダメな体を築き上げたわけです。今はどん底に近い感覚がありますが、ここから抜け出すには当然5ヶ月かかるわけです。

人間の体の変化はいつだって小さなもので、できなかったことが急にできるようになったり、できてたことが急にできなくなるなんてことはほとんどありません。テクニカルな部分では急にできるようになることはありますが、ランニングにおいてはそのようなケースは滅多にありません。

これがマラソンは努力のスポーツと言われる理由のひとつなのですが、この努力を履き違えている人が少なくありません。マラソンにおいて1日の練習で体に起きる変化は体感できるレベルのものではなく、ただそれを100も200も積み重ねることで、目に見えて速くなります。

先週走ったセプテンバーえきでんで、私は5kmを23分で走っています。私の能力で考えれば19分台が理想で、悪くても20分台で走れます。自分ではかなり遅いつもりの23分ですが、この結果を「普通に速い」と言ってくれる人もいます。

その人にしてみれば19分台とかいうのが速すぎるだけで、いま23分で走れるなら、コンディションが整いさえすればすぐに元に戻るくらいのイメージなのかもしれません。でも、ここから3分縮めるのには数ヶ月はかかります。

速くなれる即効性のある薬やノウハウなんてものは存在しません。マラソンはとにかく積み重ねるしかありません。そして難しいのは、ただ積み重ねればいいというわけではないということ。オーバートレーニングはケガにつながりますし、効率的に鍛えることができません。

ただ効率的に体を鍛えたところで、それは牛歩のようにのんびりとしています。ただ、少し複雑なのが走りには気温が影響するということ。これから1ヶ月で最高気温が10℃下がれば(例えばの話です)、1ヶ月で2分近く縮められる可能性はあります。

困ったことにランナーはそれを「急に成長した」なんて思うわけです。そして「練習は嘘をつかない」を間違って解釈し、とにかく月間走行距離を伸ばそうとする。そろそろ正しい成長ステップというのを、ランニングメディアが出していくべきターンになっています。

ただ、何が正しいのかはデータではなく感覚でしか語ることができません。これは優秀なコーチでも基本的には同じ。データがないから1週間に1日は休もうとか、月間走行距離は◯kmみたいな誰もが言っているようなことしか言えないのが実情。

ただ、大学の研究室レベルならどのように負荷をかけてトレーニングを行うのが最適なのか、ある程度の目処はついているのかもしれません。調べたら論文くらいは出てきそうです。めんどうだから調べませんけど、ただ焦らずゆっくり元に戻そうと思います。

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