MGCをテレビ観戦して思うこと【日本のマラソン界の可能性】

宿の朝食の仕事がいつもよりも少し早く終わったので、昨日は遅めの朝ごはんを食べながらMGCの途中から観戦しました。見始めたのは34km手前くらいで、ちょうど2位集団が川内選手まであと10秒差になったところ。いきなりクライマックスから観戦が始まりました。

その前にXで川内選手が飛び出したことは知っていたのですが、さすがにもう集団に捉えられているだろうと思っていたのでかなり驚きましたが、やはり川内選手は千両役者というかスターですね。結果は4位でしたが、間違いなく今回のMGCの主役でした。

彼がいなかったら、レース展開がまったく異なっていたはずです。彼のすごいところは、独走状態から集団に吸収されるところまで想定しているということ。そして、そこから粘ることもすべて想定通り。ただ35kmまで独走というのは思惑と少し違ったかもしれません。

今回のようなレースを見ていると、やっぱりマラソンって面白いなと感じます。男子のレースが終わったあとに女子のレースも見ていたのですが、五輪代表の内定がかかっていたのもあり、置いていかれても焦らず建て直して再浮上したり、抜かれても自分のペースを守って走ったりと各選手に見どころが詰まっています。

こういうレースばかりだと選手も大変かもしれませんが、最後まで手に汗握る展開というのは見ている側からするとシンプルに楽しいものです。MGCを誰が考えたのかはわかりませんが、すごいシステムを作ったものです。

ただ、タイムだけを見ると、男女ともに世界のトップから10分前後遅れています。雨で条件が悪かったというのもありますが、五輪や世界選手権で日本人がトップ争いをするのには絶望的なタイム差になります。なので世界規模の大会になると目標が「入賞」になります。

それでもいいじゃないかと思うかもしれませんが、国内のレースでこれだけ盛り上がるのに、世界に出たらまったく歯が立たないというのは、かつてのサッカー日本代表を見ているようで、どこか盛り上がりに欠けてしまいます。

Jリーグができたときにサッカーブームが来ましたが、最初はW杯にも出ることができず、W杯に出たら結果を残せない。そうなるとJリーグを観に来ていた人たちが冷静になったときに「俺たちは何を見せられているのだ」となるわけです。

MGCも今は盛り上がっていますが、世界のトップ10にも入れない状態が続くと、MGCって意味があるの?となってしまいます。そういう意味では東京レガシーハーフマラソンと同時開催というのは面白い試みで、それを考えついた人に話を聞いてみたいところ。

東京レガシーハーフマラソンと同時開催にすることで、MGCの人気が落ちていくスピードを下げられます。MGCが飽きられる前に世界と戦える方法を探し出す。日本人でもサブ2.0を出せるノウハウや技術を見つけることができるかどうか。20年後にMGCが開催されるかどうかはそこにかかっている気がします。

全然話は違うのですが、ひとつ気になったのが、2位以内に入れないとわかった選手は何をモチベーションにゴールを目指していたのかということ。脱落したらすぐにリタイアしたほうがダメージも少ないのに、彼らはなぜゴールを目指すのか、とても興味深い現象でした。

それを否定しているわけではなく、単純になぜリタイアしないのかを知りたいという話です。リタイアしないのはゴールを目指すことに意味があると考えているから。それがいったい何なのかがとても気になります。誰か「彼らはなぜゴールを目指すのか」というタイトルで本を書いてくれませんか?

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