久しく裸足で走っていないどころか、むしろ厚底を履いているケースが多くなり、ふくらはぎが少し細くなった気がします。私は足が太いタイプなので、細くなるのはありがたいことですが、筋力は間違いなく落ちているので、台北マラソンがやや不安です。
厚底を履き始めたばかりの頃は「弾む」というのがどういうことなのか、いまいちわかりませんでしだか、最近は弾まないタイプのシューズを履いたときに、推進力不足に物足りなさを感じられるくらいにはなっています。あまりよくない傾向ではあるのですが。
弾むシューズはやっぱり楽です。何もしなくても前に進むので。ただ、反発を受けるには、それなりにシューズに対する圧迫が必要になります。たとえばジョグのようなゆっくりペースだと、期待するだけの反発をもらえません。なので自然とペースが上がります。
この弾む感覚をいかにして自分の走りに落とし込むか。これが大きな課題のひとつになります。私は上下動が少ないタイプのランナーなので、厚底の反発による推進力を得るためには、走り方を多少なりとも変えていかなくてはいけません。
でも、その走りは裸足ランニングにはないもので、厚底シューズに合わせてしまうと、自分のアイデンティティのひとつである、裸足ランニングの良さが消えてしまいます。これはかなり悩ましい状況で、このままだと私は裸足に戻れなくなる可能性もあります。
いや、裸足で走ることそのものはできますが、厚底のポテンシャルを活かしてフルマラソンでタイムを出せるようになると、以前のように1人24時間マラソンとかができなくなるような気がしています。それくらい、裸足と厚底は方向性が違います。
足が細くなっているのが何よりもの証拠。筋肉の使い方などまったくの別物なんです。それに気づくまでに、ずいぶんと時間がかかってしまいました。厚底シューズの本質を掴むのにはそれくらい難しいことなのかもしれませんが、問題はどちらを選ぶのかということ。
いまさら裸足に未練があるわけではありません。これまでもこれからも、あくまでも選択肢のひとつであり、そしてここから新しく何かを得られるということはおそらくありません。そう思えるくらいまで裸足ランニングはやり尽くしました。
裸足ランニングをやめるというわけではありません。ただ、優先順位は間違いなく下がります。少なくとも今シーズンが終わるまでは。春になって暖かくなってきて、なおかつ鶴巻温泉に拠点があるなら再開するかもしれませんが、今シーズンは裸足は封印。
少し離れていたほうが、再開したときの楽しさが増しますし、きっと裸足で走ることに対する情熱も増してくるはずです。情熱が戻ってこなかったら、それこそ裸足で走るのをやめる可能性はありますが、それは先のことなので今は選択肢から外しておきます。
今は愛媛マラソンでアスリート枠を確保すること。そして、そのために厚底でしっかりと走ることが大切。まだ輪郭をしっかりと掴めていない弾む感覚の精度を上げて、自分のものにすること。その過程で裸足ランニングが下手になってもいいとしましょう。
あれもこれも欲しがって失敗していい年齢でもなくなりました。「挑戦することに意義がある」なんて言えるほど、私に残された時間がたくさんあるわけでもありません。だから今はシューズのポテンシャルを引き出すことだけに集中しようと思います。