スポーツはメンタルが大事:サッカー日本代表の試合を観て思うこと

サッカー日本代表のベトナム戦はかなりいい試合だったと思うのですが、ずっと違和感がありました。逆転されても慌てず再逆転という流れでしたが、「慌てなくてもなんとかなる」という少し傲慢さのようなものを感じました。

それはイラク戦でも感じたことで、「結局勝つから大丈夫」という根拠のない自信もしくは、そもそもアジアカップに対して気持ちが入っていないか。「競技」においては、「勝ちたい」という気持ちがどこまであるのかがとても大事です。

日本代表はいわゆる強豪国のやり方で大会に入りました。グループステージにコンディションを合わせずに、ベスト16以降に調子が上がってくるというスタイル。長丁場なので優勝にこだわる場合、最初からトップギアというわけにはいかないからです。

でも、最近のW杯でも、グループステージにベストコンディションを持ってこなかった強豪国が、グループステージで消えていくことが増えてきました。かつてほど国ごとの力の差がなく、8割の仕上がりの強豪国と10割の仕上がりの他の国では、結果が逆転してしまうわけです。

そして日本はアジアカップに入るまでに9連勝と勢いに乗っており、W杯優勝が目標だと言い切りました。別にそれは悪いことだとは思いません。でもこの国には「勝って兜の緒を締めよ」という言葉があります。ところが勝てば勝つほど兜の緒が緩くなっていく。

これがスポーツの面白いところではあります。勝てば勝つほど自分たちの現在地が見えなくなって、大事なところで失敗をするというのは、繰り返し見てきたことなのに、やっぱり同じことをしてしまう。人間とは面白い生き物です。

もちろんスポーツなので強いほうが必ず勝つわけではありません。昨年のJリーグで優勝したヴィッセル神戸は34試合中21試合しか勝っていません(21勝8分5敗)。3試合に1試合は思い通りの試合展開になっていません。

強いチームが弱いチームに負けることがある。だからサッカーは見ていて飽きることもないのですが、強いチームが負けるときは大抵、慢心からくる気持ちの緩みが原因です。W杯でドイツもスペインも「日本になら勝てる」という慢心がありました。

ただ、この慢心というのは別にサッカーの世界に限ったことではなく、私たちランナーにも関係します。私はかつて京都マラソンを走ったとき、連戦だったのもあって目標タイムも決めず「とりあえず走り出してから考えよう」なんて甘い考えをもってスタートラインに立ったことがあります。結果は言うまでもなく惨敗。

本当に酷いレースでした。私のマラソン人生でワースト1と言っても過言ではない走りで、2度とあんなことはしないと誓ったレースでもあります。気持ちが入っていない42.195kmは永遠のように長く、ただただ苦しいだけの時間でした。

それからはスタートラインに立つときは、タイム設定はしないことはあるものの、「ベストを尽くして最後まで走り切る」覚悟を持つようにしています。もっともそういうことができるようになったのも、過去に何度も手痛い失敗をしてきたからこそ。

スポーツはつくづくメンタルが大事だなと強く感じた試合でした。私も愛媛マラソンに向けて調子が上がっていますが、1年前の自分には遠く及ばないというのが実情。調子のよさに慢心せず、強い気持ちで残りの期間も練習を積み重ねていくとします。

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