アスリートと活性酸素の関係に関するセミナーを受けてきました。
正直、活性酸素も水素水のような「よくわからないサイエンス」の1つかと思っていましたが、どうやら少しは真面目に取り組むべきないようなのではないかと考え方が変わりました。
まだ学びたてで、上手く説明できないところもありますが鉄は熱いうちにといいますから、まずは簡単な話をしておきます。
活性酸素の基礎知識
人間は炭水化物などを燃やしてエネルギーに変えていますが、その燃えカスが活性酸素というように言われています。この表現が良くないなとは思うのですが、大きくは間違っていないのでそのままに。
炭水化物を燃焼させるには酸素が必要になります。
酸素はもちろん呼吸で取り込みます。取り込んだ酸素の2%が活性酸素になると言われています。ただ活性酸素は燃えカスですが、体の中では重要な役割があります。
それはウイルスや細菌から体を守るという役割です。
きちんとした役割があるのに「燃えカス」というから、邪魔者扱いされるわけですが、最低限の活性酸素は体にとって重要な役割になります。
ただし過ぎたるは及ばざるが如しの典型なのが活性酸素で、体内で増えすぎると疲労の原因になります。活性酸素が増えすぎると体内の細胞の1つひとつが機能不全になり、細胞本来の役割を果たせなくなります。
活性酸素とランニングの関係
「たくさん酸素を取り込めば活性酸素ができやすくなる」という通説から、ランニングでは活性酸素ができにくいといわれていますが、それはゆっくりのジョギングのときに限ってはそうなります。
会話を楽しめる程度のジョギングなら体内に活性酸素はあまり発生しません。実際にランニング後にも疲労感は少なく「あと5kmくらい走れるかな」という感覚になるはずです。
ところがゴール後にフラフラになって倒れる箱根駅伝のような走りになってくると話が変わってきます。1回に吸う空気の量はそれほど多くはないですが、通常よりも多い呼吸が何時間も続きます。
そこそこのスピードで走ればランナーも活性酸素が発生して走れなくなるわけです。それはトップランナーだけではありません。インターバルトレーニングなどはかなり高いレベルで活性酸素が発生しています。
走っているときはまだいいのですが、問題はその疲労した状態から回復までの時間がかかるということです。
質の高い練習やレースをすると、それだけ疲労が溜まりやすく回復までに時間がかかるため、次の高負荷の練習や別のレースに挑む体づくりが間に合わなくなります。
活性酸素が発生して一番困るのは回復が遅れること
速く走るには結局のところ練習なんです。別に1ヶ月で1000kmも走る必要はありませんが、300kmくらいは走らないとサブ3レベルには到達しません。
一度その領域に達した人は、それ以降の距離は短くてもいいのですが、よほど質の高い練習を繰り返さないかぎり、月間走行距離が100km前後ではとてもじゃないですがサブ3ランナーにはなれません。
このブログのタイトルは「月間走行距離なんて知りません」ですが、距離を目標にするのではなく質を高めること、走ることを楽しんでいれば走行距離なんて勝手に伸びるから気にする必要もないという想いも含まれています。
いずれにして速いランナーになるには高負荷のトレーニングを積むことは必要不可欠です。
でも高負荷のトレーニングをしても回復に3日かかっていたら、しばらくは低負荷の練習になります。高負荷の練習をいかに高い頻度で行えるか。
活性酸素が発生しないレベルの練習なら毎日でもできますが、ランニング能力の向上はそれほど見られません。活性酸素がバンバン発生するレベルの練習はランニング能力を向上はさせますが、毎日は行えません。
うさぎが速いか亀が速いか。
ですので、トップアスリートの一部では、いかにして体内の活性酸素を発生させないかについてすでに取り組んでいます。
抗酸化物質を摂れば増えすぎた活性酸素のを抑えることが出来る
増えすぎた活性酸素をいかにして減らすか。ここが様々な薬品メーカーやサプリメントメーカー、美容関係のメーカーがこぞって取り組んでいる内容です。
ところがその開発が玉石混淆な状態で眉唾ものの研究結果を発表して「うちのサプリメントだと活性酸素を完全に抑えられます」とか宣伝するから「よくわからないサイエンス」になっています。
ただし事実としては活性酸素は食べ物によって減らすことが出来ます。
その中心となるのがビタミンCとビタミンE、そしてポリフェノールなどです。リコピンなどのカルテノイドなども抗酸化物質と呼ばれるもののひとつです。
もっとわかりやすい食べ物でいうと「バナナ、れんこん、にんにく、ほうれん草、人参」などですが、アメリカ国立がん研究所によると、ピーマンやパプリカの抗酸化物質が多く含まれているという報告もあります。
難しいことはなし。季節の野菜と果物をしっかり取ること。これが基本です。
そのうえで、高負荷の練習時にはバナナを食べる、ピーマンの料理を食べるなどしていれば、回復が少しは早まるということになります。
もしくはレース前のコンディションを高めたいときに抗酸化物質が多く含まれるものを食べると、コンディションが上がりやすくなります。
そんなのは面倒だという人にはサプリメントがありますが、この話はまた別の機会にするとしましょう。
今日はあくまでも活性酸素とランニングの関係の基礎知識です。半分はわたしの頭の中をまとめるために書きましたが、これから活性酸素という視点でも疲労について考え、実験をしてみます。
気付きなどがあればまたフィードバックしてこの場で伝えていきます。
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