「万里の長城を走らない万里の長城マラソン」に大満足!

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裸足で万里の長城マラソンを完走すること。これがわたしのいつかやり遂げたい目標のひとつです。とはいえ事務局という立場上、参加者が増えてきたことを考慮して運営に専念することにしたため、その目標は一時据え置き状態になっていました。

そんなわたしに巡ってきたチャンス。2016秋大会の開催の発表でした。

秋大会は参加者が少ないため、わたしが走っても問題ないと考えエントリーをしましたが、万里の長城を走るはずの万里の長城マラソンが、中国政府の指示により、同日開催されることになっている「万里の長城を走らない万里の長城マラソン」との合同開催になったのが大会4日前。

中国では中国政府の言うことは絶対です。

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万里の長城マラソンは、「THE GREAT WALL」という中国人中心の6000人規模のマラソン大会に、組み込まれる形での開催になりました。

ただ、わたしはモチベーションのやりどころに困っていました。「裸足で万里の長城マラソンを完走」という目標が消え、そして新しいコースはどこをどう走るのかすら分からず、路面がアスファルトなのか未舗装なのかすらわかりません。

とはいえ、一度裸足で走ると決めた以上は裸足で走ってみよう。そんな思いから、わたしは裸足でスタートラインに立っていました。ただし、和紙布シューズをリュックに入れて・・・

最近、裸足仲間がハセツネを裸足で完走しましたが、わたしにはそんな度胸もテクニックもありません。ちゃんとシューズ手にしてのスタートです。

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万里の長城マラソン参加者は「THE GREAT WALL」のゲストという形で参加になっていましたので、スタートは最前列。ただし、わたしは裸足だからどんどん追い抜かれていきます。

追い抜いていく中国人の多くが裸足を見て驚き、声をかけてくれます。もちろん何を言っているのかはわかりません。

それでも、みんなが励ましてくれているのはわかります。

コースの路面はとてもきれいで、一見すると裸足に最適なのですが、路面の硬さが北京のアスファルトの特徴で、嘘か本当かわかりませんが「戦車が走っても大丈」な硬さに作っているのだとか。

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序盤は気持ちよく走れますが、後半になるとその硬さに足裏が負けてきて、スピードが全く出ません。

とはいえ、速く走ることが目的ではないため、マイペースで景色を楽しみます。このコースの一部はAPECの会場にもなった景色の美しいことが特徴です。

残念ながら当日は霞がかかっている感じで、遠くの景色までは見えませんが、空気もきれいで程よいアップダウンもありまったく飽きることなく走ることができます。

1kmを42回積み重ねていくだけでゴールに到達する。5時間以上かかりましたが、あっという間の5時間でした。

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さすが中国。そう思えるエピソードをいくつか。

中国人のランナーが走っている途中にポケットから何やら取り出して、口元でもぞもぞしている人がいて、一瞬「?」となったのですが、次の瞬間唖然としてしまいました。

なんとタバコを吸っているじゃないですか。

日本でもタバコを吸うランナーは珍しくはありませんが、レース中にタバコを吸うランナーは10年以上のラン歴の中で始めてみました。しかもフルマラソンの途中で・・・

とても美味しそうに吸っていたので、ランニング中の一服も含めて彼にとってはマラソンなのでしょう。

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ペースランナーも自由な感じで、たぶん日本のマラソン大会だったら大問題になるようなことがちらほら。

カップルのペースランナーが途中で何度も記念撮影をしながら走っていました。5時間30分のペースランナーですが、ゆっくりしすぎて6時間のペースランナーに追い抜かれそうなくらいマラソンを満喫しています。

そしてもう1人の5時間30分のペースランナーは、自由気ままな感じで、走ったり歩いたりスキップしたりと、やりたい放題。テンションが上りすぎて、こちらは5時間のペースランナーに追いつきそうになったり。

そんな感じですので、誰もペースランナーを頼りにしていません。ペースランナーってなんだろう・・・ちょっと哲学的なことを考えてしまう瞬間でした。

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一方の裸足ランナーのわたし。ほぼすべてのランナーとボランティアさん、スタッフさん、そして沿道の人たちに目を丸くされる状態で注目の的です。

中国人ってこんなにもリアクションする人たちだっけ?と思うほど、わたしの裸足にリアクションしてくれます。何人ものランナーに話しかけられ、沿道からも声をかけてもらえます。

正直、こんなに楽しかったフルマラソンは初めてです。

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コースも走りやすく、中国人とも絡みながら走ることができ、しかも後半の足裏と足首以外は全く問題なく走ることができました。

マラソンって楽しいんだなってことを思い出させてくれる大会になりました。

万里の長城は一歩も走っていないのですが、マラソン大会としての満足度は非常に高い大会でした。「THE GREAT WALL」はマラソン大会としてかなりおすすめの大会です。

ただ、普通のエントリーをどうやってすればいいのかまったくわからないという問題がありますが。

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5時間20分の北京の自然の中を駆け巡る旅。満足度はかなり高め。

春の大会は事務局専念ですので、万里の長城マラソンを裸足で完走するという目標はまた先に延ばされてしまいましたが、これもひとつのいい経験になりました。

事務局としての見解はまたのちほどまとめて記事にします。とりあえず、今日は自分が楽しんだという話だけ・・・

マラソンってやっぱり楽しいですね。この気持ちを忘れずに来週の金沢マラソンも楽しんでこようと思います。

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