近づく台湾と遠ざかる中国【僕らは大きな分岐点に立っている】

中国からの日本入国に対して、水際対策を強化するとのこと。国が決めることなので、その是非について語るつもりはありませんが、個人的な感想としては「中国がこれまで以上に遠くなった」ということ。正直、国はもっと中国を歓迎するのかと思っていました。

中国の経済力はとても無視できるものではありませんし、インバウンドを考えたときにコロナに対して盲目的になってでも日本に入れるくらいのスタンスでもおかしくはありません。政策として「病より経済」を優先するのかなと。

そして、そこがアフターコロナの入口になっていくんだろうなと考えていたら、政府が選んだのは中国の締め出しでした。そこで考えられるのは、いま中国人を日本に入れるのは想像以上に危険だと判断したということ。日本経済を立て直しが遅れてでも、その道を選んだわけです。

一方で台湾からの観光客は当然のように増えているはずです。「はず」としたのは実数を把握しているわけではなく、肌感で語っているから。伊豆高原の宿にも台湾人のお客さんが何組か来ていましたし、私の友人も年末年始を京都で過ごしたそうです。

日本のマラソン大会に出た台湾の友人もいます。台湾と中国に対する対応の差はどこから来たのか。ひとつは信用があるかどうか。台湾は誠実さを重視する文化があり、日本ほどではないにしても衛生管理に気を配っています。

中国は人口が多すぎるのもあって統制が取り切れず、徹底した衛生管理ができません。少し前までお役所の認可なんてものは賄賂でなんとでもなっていた国であり、そして国が本当のことを発表しないことが多々ありました。

誠実な国とあからさまに隠し事をする国。コロナ禍以前、もしくはロシアとウクライナの戦争以前は、あからさまに隠し事をする国であっても国益になるなら優先するという付き合い方をしていましたが、どうもここにきて大きな方向転換があったのかもしれません。

中国が台湾に戦争を仕掛けるかもしれないという話が、昨年末くらいからメディアでも取り上げられていますが、それも影響している可能性があります。それが実際に起きた場合、日本はどうしても台湾側に付くことになります。

そのときに中国人が日本にいるというのは好ましくない。もし中国と台湾の争いが差し迫っているなら、そういう考え方のできなくもありません。防衛費を増やすというのは、もちろん戦争を想定してのことなので、想定はしておかなくてはいけない段階なのかもしれません。

私たち一般人にはすべての情報が入ってくるわけではないので、断片的な情報や現実に起きていることから想像力を働かせる必要があり、私のように中国と関わるイベントをしている人間には、危機感を1度MAXまで引き上げるタイミングなのかなと。

2023年は私たちが思っている以上にハードな1年になる可能性がある。それについて四六時中考える必要はなくても、頭の片隅に常に置いておき、いざというときに出遅れることのないように準備だけはしておきたいところです。

もちろん何事もなく1年が過ぎていく可能性もあります。でも、こればっかりは自分の力ではなんともできないわけで、どこかの国の首相ではありませんが「注視する」しかありません。1日も早く中国に遊びに行きたいのですが、これはまだしばらく叶わぬ願いになりそうです。

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