秋の万里の長城マラソンが開催されるので、打ち合わせも兼ねて北京に行くつもりなのですが、現実問題としていま行くべきかどうかを思案中です。日中関係がここまで悪くなると、安易に観光地を巡ることもできませんし、何かと不便な思いをすることになります。
日中関係が悪くなった2012年、翌年の万里の長城マラソンから日本事務局を始めたのですが、そのときよりもはるかに強い逆風が吹いています。今回ばかりは関係回復にどれくらいの時間がかかるかわかりませんし、最悪の事態を迎える可能性だってあります。
とりあえずビザを取得することが重要なのですが、そもそもビザが必要になっている時点で面倒なことにはなっています。もうコロナ禍はとっくに終わっているのに、まだ解除しないというのは入国する日本人をコントロールしたいから。
ただ2013年もそうでしたが、一般の人にとって日中関係の良し悪しはそれほど関係なく、行けば歓迎してもらえるという安易な思いもあります。あの年は北京中から日本人が消えたのではないかと思うほど、どこに行っても日本人に出会えませんでしたが。
私は中国に行くたびに中国人に親切にしてもらっています。知っている人だけでなく、知らない人でもいつも親切で、なぜかわからないけどバスの席を譲られたこともありますし、カフェでお会計をおまけしてもらったこともあります。
ホテルのロビーに置き忘れたデジカメを、隣りに座っていた人が追いかけて渡してくれたこともあります。そういう経験をしていると、中国人のことを悪くいう人に対して「かわいそうに」と思います。そういう人は親切にしてもらったことがないわけですから。
こう書いていると行かない理由は見つからなくなってきました。3年以上も中国に行けていなくて、今の中国がどうなっているのかもわかりませんが、やっぱり自分の目でちゃんと変化を見ておきたい。きっと以前とはあらゆることが違っているので。
何が変わって、何が変わっていないのか。それを知るだけでも行く意味があります。きっとこれまで以上に洗練されているし、独自の変化もしています。それが何をもたらしているのか、そして本当に日中関係は悪くなっているのかなど、知りたいことだらけです。
かつて私は中国と日本の架け橋になるランナーでありたいと願いましたが、今がまさにそのときなんじゃないかなと。誰かが動き出すことで他にも真似て動いてくれる。それが個々の交流に繋がって、良好な関係になると信じています。
とはいえ、まずはビザを取得しないことには話になりません。どれくらいハードルが高いのか、それとも意外と簡単に取得できてしまうのか。それも含めて体験することがまたネタになります。中国に行けれたらそれもネタになります。
みんながしないことをするのがライター、もしくはジャーナリスト。そういえば、かつて私が書いた記事がバズった千葉マリンマラソンが廃止になりました。コロナ禍で継続ができなかったのが最大の理由でしょうが、なんとなく、本当にわずかにですが記事が影響しているのかもと思ったり。
いや、それはきっと思い上がり。私の書く文章で世の中が変わるなんてことはありません。中国について書いたところで何も変わらない。ただ、世界は変わらなくても個人は動かせることもあります。だからやっぱり北京に行くとしましょう。