旅慣れた人にとって2019年までの常識は、「航空券は航空会社のサイトで購入すべし」でした。旅行代理店でも取り扱っていましたが、あまり安くないうえにさまざまな条件がついていて、旅行代理店で購入するメリットがなかったからです。
旅行代理店の格安ツアーも実際にはそこまで安くなく、自分で手配したほうが安いということがわかってきて、旅行代理店は自分で手配できない人向けのサービスとなっていました。ところが今回、台北マラソンに出場するために台湾までの往復航空券を購入しようとして、ちょっとびっくりしたことが。
私が航空券を買う場合には、まずはスカイスキャナーを使って安い路線を探します。これは2019年以前も現在も変わりません。以前は安い路線を探して、航空会社のサイトで直接予約するというスタイルで、今回もそのつもりでした。
選んだのはPeachの早朝便&深夜帰国便。スカイスキャナーで34,990円となっていて、ちょっとびっくりしましたが、Peachがセールをしているのでそのせいだと思っていました。とりあえずPeachのサイトで申し込もうと思ったら、同じ便を選ぶと約5.8万円くらいの金額になります。
おかしいなと思ってスカイスキャナーに戻ってよく見てみたら、34,990円で出しているのはHISとサプライスという聞いたことのない旅行代理店。正直、これは何かの罠ではないだろうかと思いました。実際に申し込んだら追加費用がいろいろかかって……とか。
しかも旅行代理店で予約したら、預け荷物を追加できないのではないかという不安もありました。とはいえ、当日に預け荷物を追加したところで、Peachのサイトで直接購入するよりも遥かに安くなります。思い切ってHISのサイトで進めていったら、34,990円で購入できました。
それも20kgの預け荷物ができるとのこと。「狐につままれたような」というのはこういうことを言うのでしょう。そんなことがないというようなことが実際に起きたわけです。もっとも2019年以前に往復2万円以内のチケットがあったことを考えるとまだ割高ですが。
実は同じことが万里の長城マラソンのために北京便を買ったときにも起きています。そのときはTrip.comで5万円台で購入できたのですが、たまたまだと思っていました。でも全然たまたまじゃありませんでした。今は旅行代理店で航空券を買ったほうが安い。
まだ海外旅行に行く人が少ないから、旅行代理店が確保した航空券を安く出しているのかもしれませんが、とにかく今は旅行代理店で直接購入するだけが選択肢ではなくなりました。いつまで続くかはわかりませんが、安く海外に行けるのはありがたいことです。
こうやって時代は動いていくんだなと感じることが増えました。古い常識にとらわれないことが大事。頭でわかっていますが、こういうことが起きるとより強く感じます。そして、こういうことがあると自分の知識をひけらかすものではないなと思うわけです。
自分の知識が古いものになっているにもかかわらず、知ったかぶりで語るってカッコ悪いじゃないですか。そんなこと気にしていたら何も言えなくなりますが、これからは「知識を与える」ではなく「一緒に考える」の時代なんだなと。
困っている人がいたら、自分の知識だけで何とかするのではなく、一緒になって解決策を探る。そういう謙虚さも持たなくてはありがた迷惑な人になってしまいかねません。煙たがられる存在にならないように、気をつけて生きていくとしましょう。