大人な対応をする人らしい【できるだけ敵は作らぬように】

伊豆の宿でもエスコンフィールドの職場でも「電話対応が大人」と言われました。自分では普通に話しているだけなので、謙遜でもなんでもなく、他の人がなぜそう感じるのかはわかりません。ただ、電話対応は相手の顔が見れないので感情的にならないようには心がけています。

私は物書きなので「伝わっているか」ということをとても大切にしています。対面で話をしているときにはとにかく表情を読み取ろうとします。理解できているかどうかは表情、もしくは目に出るので顔を見て話し方や内容などを変えていきます。

でも電話はそれができません。だから電話というのはコミュニケーションツールではなく、情報伝達ツールだと思っています。ブログとかと同じですね。感情を乗せることは不可能ではないのですが、それがどこまで届くかは未知数なので感情を乗せないようにするわけです。

必要事項を完結に伝えること。電話ではそれだけを考えています。だからどんなに相手の対応が悪くても淡々と話を進めますし、相手のせいでトラブルが起きているときも、できるだけ相手が責任を感じなくて済むように話をします。

そうすることでデメリットがあるとすれば、自尊心を満たせないということくらいでしょうか。むしろ、このやり方をすると自尊心なんて1ミリも残りません。でも私にそんなたいそうなものはありません。目的を果たすために自尊心なんて何の役にも立ちませんから。

立ち上げの仕事なので上手くいかないことが多々あります。連絡をしても相手がまったく電話に出られなくて、こちらの仕事がストップすることもあるのですが、そういうときに他の人が「困りましたね」と言うのですが、私はまったく困ってないわけです。

困ったところで解決はしませんから。困るという感情なんて持たずに、今やれることを積み重ねてればいいんです。自分の力が及ばないことに対して、ほんの少しも労力を割きたくないというのもあります。1日は24時間しかありませんから。

そういう意味では冷たい人という印象もあるかもしれません。上手くいってもいかなくても、感情を表に出すことはほとんどなく、淡々と物事を進めていく。目標を達成したからといって喜ぶのではなく、もう次のことを始めている。こうやって言葉にすると恐ろしさすらあります。

その代わり、敵を作らないというメリットもあります。私は敵も味方もないわけです。ロボットの相手をしているようなもので。でも、決して感情がないわけではありませんよ。イラッとすることもあります。でもそんなものは一時の感情に過ぎません。

感情的に話をして上手くいくことなんてひとつもありませんから。むしろ敵を作るリスクがあるだけでなく、もっと厄介なのは相手が私に対して苦手意識を持つことです。正論で追い詰めると間違いなく相手は縮こまってしまうのですが、そうなると敵よりも厄介な存在になります。

それよりも相手に非があったとしても、そこを責めることなく「協力してくれて助かっています」と伝えるほうが、間違いなく後々の助けになります。人によっては私のことを舐めてくることもあるのでしょうが、別にそれで上手く回るなら舐められたほうがいい。

一目を置かれるなんて、もう気恥ずかしくてとてもやってられません。数々の才能に触れてきて、自分が絵に書いたような凡人であることは強く自覚していますから。だから大人な対応をしているわけじゃないんですよね。最善手を選んで生きているだけ。怒っている時間すらもったいないわけですから。

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