全部やってしまうべきか育てるべきか【教えることは難しい】

私が会社員時代にやってこなかったことのひとつが、後輩社員の教育でした。どこに行っても下っ端という時代を過ごしていたのもあって、後輩を育てる必要がありませんでした。自分に与えられた仕事はヘルプなしで完結してきたので若手を付けてもらう必要もありませんでした。

アルプス技研時代は勉強会のリーダーなんてものをやらされていましたが(あまり「やらされる」という言葉を使いたくないのですが、あれは間違いなく「やらされて」いました。)、私は基本的には勉強なんて自分でやるものと考えており、勉強会の存在を否定し続けていました。

新入社員に「仕事はスピードと正確性のどちらを優先すればいいのか?」と聞かれたときに、一般論を説明したあとに「自分ならどちらも妥協しないけどね」なんて言ってしまったことも。きっとそれを聞いた後輩は「あなただからできる」と思っていたでしょうが。

私は古いタイプの人間なので、仕事は目で盗むものだと思っています。実際にそうしてきましたし、今でもそのスタンスは変わりません。だから具体的に教えるということができません。盗み方のコツなんかもありませんから。

でも銀座三州屋エスコンフィールドHOKKAIDOではそうも言ってられなくなってきました。私は裏方なので本当は表に対して口を出さないようにしているのですが、今のままだとお客さんに迷惑をかけることは明らかで、他のスタッフに対して教育ではないですが、口を出さないとまずい状況。

それをすることは組織において越権行為になるので、トップダウンのシステムが機能しなくなるリスクもあります。私には役職があるわけではなく、ただのサポートスタッフという位置づけなので、下っ端が切り盛りすることになるという問題が発生します。

ただ店舗としての目標があり、それを達成するためにはそれぞれの能力に期待するだけではなく、同じ方向を向けるように作業のやり方などを指導する必要があることを痛感。ここできっちりやるかどうかで、お店の未来も変わってきます。

なのである程度は口をだすことにするつもりですが、問題は私がすべてに手や口を出すと、それによって人が育たなくなります。教育としては「自分で考えて判断する」が大事なんですが、それをできるようになってもらうには、ある程度の失敗を経験してもらう必要があります。

こちらですべてお膳立てして働いてももらうとなるとその人は育たなくなり、私がタクトを振っている間はいいのですが、たとえばGWなどの連休中に伊豆の宿に行ったとしたら、そこで一気に崩壊してしまうというリスクがあります。

そうならないためにマニュアルを作り、誰がやっても上手く回るようにすべきですが、アルバイトスタッフはそれでよくても社員側はそういうわけにはいきません。臨機応変に動いてもらうための教育が必要になり、そのためには全部私が全部やってしまうのはNG。

そう考えてはいたのですが、こうやって文章にして吐き出したことで、ちょっと腹をくくる決心がつきました。育つのを待つのではなく全部やることにします。全部お膳立てもして店が機能することを優先し、私がいなくても回るようにします。

やっぱり自分がいないときに対応しきれなくて、お客さんを困らせるのが1番よくありません。今はまだ立ち上げしたばかりという言い訳ができますが、シーズンが開幕してからはそうもいきません。お客さんに離れられないようにするために、育てるのではなく全部やるとします。

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