経営者の孤独を知る【目線の高さと目的意識の違いが生み出すもの】

昨日の銀座三州屋エスコンフィールドHOKKAIDO店では、初めてホールが崩壊しない状況になりました。そうなるようにお膳立てをしたわけですが、当然ホールスタッフはきちんと営業しきれたことを喜んでいますが、経営側からすると悩ましい問題を抱えてしまいました。

崩壊しないようなオペレーションを組んだとき、目標とする利益を達成できないことがわかったからです。飲食店なので1日の売上目標というものがあります。経営側にしてみれば、ホールが崩壊しようが何しようが目標とする売上を達成することが大事。

それが未達だと赤字になるわけで、そうなると店舗そのものを続けていけなくなります。もちろん大きなトラブルもなく、営業を終了できるのが理想です。それは喜ばしいことですが、それをお膳立てした私たちにとっては当然の結果であり、特に大騒ぎするようなことではありません。

とはいえひとつのステップはクリアしたわけで、大事なのはそれをベースにどこまで売上を伸ばせるか試行錯誤すること。ホールスタッフが喜んでいるのを冷静に見つつ、次の一手を考えなくてはいけない。経営とはなんとも孤独なものなのか、徐々に身に染みてわかってきました。

経営者は孤独だということをこれまで何度も聞いてきましたが、なんとなくは理解していても「こういうことなんだ」と実感するのは初めてのこと。もちろん私が1人で孤立しているわけではなく、サポートしてくれる人もいますし、私の上に立つ人もいます。

ホールスタッフも一生懸命働いてくれるので不満があるわけではなく、ただ同じ目線にはなれないんだなと。目的意識がまったく違うわけで、ホールスタッフは「今日」を乗り切ることを目指し、経営者は「未来」を乗り切ること目指しています。

今日は晴天でも、未来は大嵐。これが包み隠すことのない銀座三州屋エスコンフィールドHOKKAIDO店の状況です。これをいかにして両方晴天にするか。もし一緒になって喜べる日がくるとしたら、そのような未来が確定したときだけです。

かつての私はすべての人に同じ未来を見つめて欲しいなんて考えていました。それぞれのプレイヤーがベストを尽くせば結果は出ると。確かに選ばれしプレイヤーがベストを尽くせば結果が出ますが、実際の組織は選ばれしプレイヤーばかりではありません。

目線が揃わないことに苛立ちを感じ、フリーランスとして組織を離れて働くようになったわけですが、その状況になってから個々に目的意識のばらつきがあって当然だと理解できるようになったというのは皮肉な話です。

まだ未来は暗いままですが、でも指をくわえて待っているわけではなく、次の一手を打たせてくれる。それが今の銀座三州屋エスコンフィールドHOKKAIDO店でもあります。会社員時代のように何でも「前例がないから」で否定されないのはありがたいこと。

ただ、それだけ責任がともなうということで、失敗したときには自分がすべてを背負う必要があります。それでも本来の目的を達成するためには踏み出さないといけない一歩。ちょっと胃が痛くなるような日々ですが、こういう経験をできるのも私にとっては宝物。

きっと父も同じような道を歩んでいたのでしょう。今だから父の孤独というのが少しだけ分かるような気がします。来年のお墓参りは盛りだくさんの報告になりそうです。できれば明るい未来の報告もできるようにしたいところです。

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