私は自分が作り出すものに関しては、とにかく美しさにこだわります。ただ些細な部分も妥協しないため、一緒に仕事をする人からはきっと理解されないんだろうなと思うことがしばしば。そうなると悪いのは自分になるのですが、ここだけは引くわけにはいきません。
あるマラソン大会がRUNNING STREET 365に紹介記事を出して欲しいと依頼がありました。それ自体は時々あることなので構わないのですが、2つの大会の掲載依頼があり、そのうちの1つを手掛けたときに、提供してもらった写真がこちらの希望したものよりもクオリティが低いものだということに気づきました。
ただ時間がなかったのもあり、その記事だけはアップしたのですが、同じクオリティの写真では困るということで、質の高い写真提供を依頼したところ、ボケボケした写真が届きました。さすがにそんな写真で記事を作る気にはならないので2本目はお断りさせていただきました。
RUNNING STREET 365はコンテンツとしての仕上がりをとても重視しており、写真もかなりこだわっています。それが読者の信頼関係につながると信じているから。実際にそうやってRUNNING STREET 365をそれなりのコンテンツに育ててきました。
きっと相手の方は私の言っていることを理解できなかったと思います。私のことをケチだと思ったかもしれません。別に誰から何を思われても構わないのですが、やっぱりこだわりというのは理解されないもんだなとあたり前のことを思ったわけです。
もっとも、2本目の記事作成を断ったのは、1本目の掲載に対してひと言も「ありがとうございます」がなかったからという理由もあります。誰かに何かを依頼しておいて、それに対するお礼がない人のために自分の時間を使うなんてことは考えられません。
仕事としてお金が発生しているなら別ですが、今回はそういうわけではありません。こちらの感覚からすると、そういう人が関係しているマラソン大会を紹介したら、トラブルになる未来しか見えません。そうなると紹介したRUNNING STREET 365の責任になります。
そこでリスクを負う義理はありません。そのあたりはかなりドライというか、人に対する見切りをつけるのが早すぎる部分があることは自覚しています。でも細部にこだわれない人とは一緒に仕事をしないのが1番です。
銀座三州屋エスコンフィールドHOKKAIDO店でも、似たようなことが多々ありますが、すでに見切りをつけることにした人もいます。与えられた時間には限りがあり、そのなかでやらなくてはいけないことが無数にあるので、そこに時間を割けません。
時間がないのに細部にこだわるから追い込まれるのですが、妥協して仕事を行った結果、中途半端なものが出来上がって、そこが違和感になり顧客が離れていく。そういう人をたくさん見てきましたし、細部にこだわった結果、今の自分があると思っています。
理解されないし、時としてそれが仇になることもわかっていますが、ある意味そこが私にとっての生命線でもあります。もちろん細部にこだわった結果、足を引っ張るなんてことにならないようにはしますが、ここは一切妥協しないのが私のスタンス。
「神は細部に宿る」誰の言葉かわかりませんが、それはひとつの真実です。神の宿っていない作品や仕事など誰も興味を示してくれません。手間も時間もかかりますが、最終的に生き残るのは魂のこもったものだけなので、理解されなくても続けていくしかありません。