
北海道の仕事を離れて伊豆高原で仕事をしていますが、きっと人によってはそれを羨ましいと思うのかもしれません。ひとつの仕事に縛られることなく、自由に働ける環境というのはなかなか手に入るものではありませんので。
ただ悠々自適かというとそうではなく、どこで働いても寝る間を惜しんで働いているというのが現実で、伊豆高原にいても北海道からのSOSには対応しますし、売り上げがどれくらいあるのかも気になりますし、何よりもみんなが気持ちよく働けているのかどうかも気になります。
伊豆高原に来たからあっちの仕事はやらないと切り分けるのではなく、関わっているものすべてに対して責任を持って対応するのでとにかく忙しい。ただ伊豆高原では毎日走れるという特典が付いてきますが、基本的には起きている時間はずっと仕事。
ただ、ひとつとしてやらされている仕事はありません。もちろん依頼を受けてやっているので、自分自身の仕事ではありませんが、どちらもお客さんに喜んでもらうことが最優先事項で、あとはクライアントに満足してもらうことを意識はするものの、やらされている感はありません。
でも、世の中には「仕事=生活のために仕方なくするもの」と考えている人もいて、とにかく与えられた業務だけをこなせばいいというスタンスの人も少なくありません。従業員や会社員という立場で働いていると、自分を全面に押し出すことができないので、どうしてもそういうスタンスになりがち。
ものすごい学歴と経歴があるのに、上から言われたとおりにしか行動できない人も世の中にはいます。いや、組織で働く場合には、そうするしかないのですが、そのスタンスの働き方で苦しくないのかなとはフリーランスの立場からは思います。
私は古いタイプの人間なので、組織というのは必ずトップダウンでないと上手く回らないと思っています。トップが即断即決即実行で動き、そこに付いている人が実現に向けて全力でサポートする。これが私の考える強い組織。
大前提としてトップが天才でなくてはいけませんが、そういう組織は絶対に成功します。そこで働く人も結果を伴うのでやりがいがあるでしょう。高度経済成長時代はそんな組織がいくつもありました。でももう時代は変わっています。
組織に属さないという働き方ができる時代になり、自分のやりたいように働けるわけです。私のように「生きるとは働くことだ」と言い切ってずっと働くことも可能。でも、そういう時代にまだ組織に依存して、ただ仕事だから言われたとおりにだけ働く。
それをもったいないなと思うものの、きっとそういう人は私のような働き方をすることを、もったいないと思うかもしれないので、どちらが正解なのかはわかりません。困るのはこの両者が職場で出会うと相容れないということ。
片方は情熱的に仕事をして、片方は義務として仕事をする。それはまるで水と油のようで、混じり合うことはありません。何かに似ているなと思ったのですが、大学や高校のサッカー部がそんな感じでした。みんなが情熱的というわけではなく、そこで噛み合わなくなる。
それってとても悲しいことなんですが、それが人間なんだろうなと変なところで悟ってしまったところもあります。みんなが同じ情熱になることはない。ただ、私は情熱がある人と働きたい。だってそういう人たちとの仕事って楽しいじゃないですか。学べることがたくさんありますし。