文殊の知恵:どんなに優秀な人でも1人でできることには限界がある

先日、北海道でお世話になった方が伊豆高原の宿に泊まりに来てくれました。料理人なので朝ごはんを出すときはドキドキでしたが、宿を気に入ってもらえたのでひと安心。来月も知人が来てくれるのですが、知っている人からお金をいただいて料理をするのは不安しかありません。

自分でいうのは何ですが、北海道で働いていたときは、なかなかいいコンビだったと思っています。飲食の世界ではとんでもない実績のある方ですがパソコン関係が弱く、私がそれを補っていたわけですが、他にもメニューのことなどでいろいろ意見を求められるこも。

最初は私なんかの意見なんて……と思っていましたが、これまでにないことをしようと思うと多角的に見るということが大切で、自分だけの考えで物事を決めないようにしていたのだということを今ならわかります。人間は経験の中でしか物事を判断することができませんので。

実績があってもすべてを経験しているわけではなく、自分の考え方が必ずしも正しいわけではない。そういうスタンスはなかなか取れないものです。私なんかは決め打ちするタイプなので、周りの意見を基本的に聞きません。だから、彼の考え方、仕事の仕方はとても新鮮でした。

少し話がそれます。私は決め打ちするタイプと書きましたが、問題や課題が目の前にあったら、答えだけがパッと浮かんできます。これは最近身につけたものではなく、社会人1年目にはそういうことができていました。機械設計の仕事でも派遣会社の会議でも、課題ができたときに答えが浮いてくるわけです。

機械設計は論理的な数字の積み重ねで答えを出すのが正しいやり方なのですが、私の場合は目を閉じてひたすら考えます。案件によっては1日考えてるだけで終わることもあります。でも、考えていたら必ず答えがまぶたの裏に現れてきます。

1人で働いているならそれで良くても、組織として働く場合にはそうもいきません。しかもサービス業のような不特定多数を相手に商売をする場合には、視野をできるだけ広げて、最適解を導がなくてはいけません。そのためには「意見を聞く」が重要になります。

もちろん意見を聞く人だけでもいけません。ビジネスにおいては「決める人」も大切で、決める人がトップにいて、そのトップの指示で全体が動く。要するに適材適所なわけです。そして、それぞれが自分の長所を活かして、他の人の短所を補うこと。

強い組織はそれがきちんとできているのですが、小さな組織やトップがしっかりしていない組織では往々にして、補い合うことができていません。もちろんフリーランスも1人親方なら、意見を聞くなんてことはできず、視野の狭い働き方になりがちです。

また、働き方の方向性というのもみんなが同じ方向を向くよりも、それぞれ違うほうがいい私は思っています。サービス業の場合、お客さんに喜んでもらうことを最優先としている人ばかりだと、ビジネスの本質である「持続可能な収益をあげる」こたご難しくなります。

誰か1人でも収益をあげることに固執できる人がいたほうがいいですし、1人でも「絶対定時にあがるマン」のいる職場の方が、職場環境は良くなると私は考えています。ただ、そうなると取りまとめをするトップの技量がかなり高くないと失敗します。

そしてそんなトップはなかなかいないものです。人は偉くなると「自分の言うことを聞け」となってしまうので。もちろんそれもいいのですが、私はそれが苦手というだけの話。ただのないものねだりですね。私は基本的に1人で働くから問題ないのですが。

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